内田絵梨
今日は13日の金曜日。不吉な日として知られていますが、イタリアでは17日の金曜日が不吉とされていたり、スペインでは13日の火曜日が不吉とされているそうです。
逆にフランスでは13日の金曜日はラッキーな日という人もいて、宝くじの売り上げが急上昇するとか。
不思議ですね!
今回のお話はハイジャックの語源。物騒な言葉ですが、由来はなかなかおもしろいものだったりします。
ハイジャックの語源
ハイジャックは言葉の響き通り、英語由来の言葉です。
英語で表記するとhijack。
辞書で引くとこのように載っています。
ハイジャック【hijack】
[名](スル) 運行中の乗り物、特に航空機を実力で乗っ取り、その運航を支配すること。スカイジャック。
デジタル大辞泉より
元は、禁酒法が施行された1920年代のアメリカで、密造酒を輸送するトラックや船から積み荷を強奪する行為をさしたそうです。
その語源は諸説あるのですが、どれもなかなかにユニークです。
1つ目は、あたかも知り合いのような振りをして、車に近寄り「Hi, Jack!(やあ、ジャック)」と運転手に呼びかけ、近づいて拳銃を突きつけたことに由来するという説。
もちろん、その後、運転手は引きづりおろされて、車は奪われてしまいます。
恐ろしすぎる! アメリカ!
ちなみにJackは当時のアメリカの一般的な男性の名前だったそうで、見知らぬ男性への呼びかけに使われていたとか。
ちなみにデトロイト郊外にある空港では、「Hi, Jack!」という純然たる挨拶を機内マイクが拾い、慌てた管制官が地元警察に連絡。ただちにテロリスト対策の特別機動隊や連邦捜査局(FBI)が空港に駆けつける騒ぎになったことがあります。
空港でJackさんに挨拶する際は、気をつけなくてはなりませんね。
2つ目は駅馬車強盗が銃を突きつけて「Stick’em up high, Jack(手を高く上げろ)」と脅して馬車を奪ったことからくるとする説。
こちらのJackも見知らぬ男性への呼びかけですね。
手を上げろは「Hold up your hands!」や「Put your hands up!」だと思っていたのですが「Stick’em up」はより古い表現のようです。
最後の説は、追い剥ぎを意味する「highwayman」と、狩りをする人を意味する「jack(jacker)」がくっついて略されたとするものです。
「highwayman+jack」が「hijack」と短縮されたというわけですね。ちょっと縮まりすぎでは?!
今ではjacker単体で強盗犯という意味を持っています。
○○ジャックは和声英語
ちなみに日本では「hi」と「high」が混同されたせいか、「ハイジャック」は飛行機の乗っ取りを意味することが多いですよね。
それ以外の乗っ取りだと、バスジャックやシージャックなどがありますが、これらは全て和製英語です。
英語だとこれらは全てhijackで、飛行機の乗っ取りに限ってのみ、skyjackという言葉が使われます。
英語で会話をされる際はご留意を!
参考:語源由来辞典 / wikipedia / CBS NEWS / ネイティブと英語について話したこと