内田絵梨
今回から4週に渡って、日常的によく使う、テーブルゲームから生まれた言葉をご紹介していきます。
第一回目は麻雀!
良いですよね。麻雀。
私はてんで麻雀ができないのですが、将来はお正月に本気で家族麻雀をする家庭を築きたいと思っております。笑
そんな麻雀は中国で生まれたテーブルゲーム。
基本的に4人で対戦し、手持ちの13個の牌を元に牌の取捨を繰り返して役(ルールにある牌の組み合わせ)をそろえ、得点を競います。
老化防止や脳活性化が見込める健康的なゲームとしても注目されていますね。
さて、それでは麻雀から生まれ、私たちが日常的に使っている言葉をみていきましょう。
テンパる
テンパるは、1990年代後半から若者用語として使われ出しました。
意味は、「余裕がなくいっぱいいっぱいになる状態」です。
この言葉の由来は麻雀用語の「聴牌(テンパイ)」。
「聴牌(テンパイ)」は、麻雀であと一つの牌がそろえば上がれる状態をいいます。
この「聴牌(テンパイ)」に、動詞化する接尾語「る」が付いた言葉が「テンパる」なのですね。
元は、「聴牌(テンパイ)」の意味にそって、「準備が整った状態」や「余裕を持って対応できる状態」を差したのですが、いつしか「直前の状態」や「ギリギリの状態」という部分がクローズアップされ、「切羽詰まる」「余裕がなくなる」といった悪い意味に転じてしまいました。
リーチ
リーチはビンゴなどでよく使いますよね。
「勝利や成功に至るまであと一歩の段階」です。
これは、麻雀用語の「立直(リーチ)」からきた言葉。
「立直(リーチ)」は、「聴牌(テンパイ)」していること宣言する際に発する「立直(リーチ)」という掛け声と、その宣言によって成立する役のことを言います。
ちなみに本場でもある中国麻雀には「立直(リーチ)」という役はないとか。
メンツ
メンツは「体面。面目。」、「会合などの顔ぶれ、メンバー」を差す言葉です。
麻雀用語から生まれた意味は後者の「会合などの顔ぶれ、メンバー」の意味。
麻雀用語の「面子(メンツ)」は、3個でひと揃いになる牌の組み合わせや、麻雀のメンバーのことを言います。
ここから派生して、「会合などの顔ぶれ、メンバー」を表わすようになったのですね。
なお、麻雀用語としてではない中国語の面子は、「面目・体裁・世間体」といった意味なので、そのまま日本に伝わり、一般に使われるようになったようです。
チョンボ
チョンボは「うっかりして間違えること。ミス。」を差す言葉です。
1970年代後半から使われるようになりました。
麻雀用語では「錯和(チョンボ)」と言い、あがり牌を間違えたり、役がないのにあがりを宣言するなどの反則行為を差します。
麻雀であがることを「和了(ホーラ、あがり)」と言うのですが、間違ったあがりなので「錯和」と書くわけですね。
またチョンボには「冲和」という書き方もあり、こちらは「虚しいあがり」という意味です。
アンパイ
アンパイは「益も害もない人。危険はないが満足のいく結果も見込めないこと。」を差しますよね。
麻雀用語「安全牌(あんぜんぱい)」を略した言葉です。
「安全牌(あんぜんぱい)」は、捨てても相手にあがられることのない牌のこと。
転じて、事をなすに当たってなんの害もなく扱いやすい人や選択肢のことを差すようになりました。
連チャン
連チャンは「ある出来事が連続して起こること。」を差します。
麻雀用語の「連荘(レンチャン)」からきている言葉で、1人のプレイヤーが複数の局で勝ち続け、連続して親を担当すること。
「連荘(レンチャン)」の「荘」は「親」の意味だそうです。
連チャンの前に数字を入れて、「二日連チャン」や「3連チャン」といった表現もしますよね。
いかがでしたか?
麻雀牌を触ったことすらないのに、その用語を知らず知らず使っていた方もいるのでは?
次回は将棋から生まれた言葉をご紹介します。
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