植村明美
グッドクロスの社員のコンビニのお気に入りや、気になる商品を紹介するリレー企画
教えて! コンビニの逸品で預かった記事の原稿を確認しているときにあれ?と思うことがありました。
「おすすめするもの」の「おすすめ」は「お薦め」で本当に良かっただろうか。もしや「お勧め」か「お奨め」ではなかろうか。
そういえば他の文章を書く時にも「おすすめ」の遣い方をどうしたらいいか困ったことがあったのでした。ここはひとつ、完全に理解しておかないと後あとまた迷うことになるぞ。
というわけで「おすすめ」の使い分けです。
勧める、薦める、奨めるともに、もとは「進める」と同源なのです。
前へと行く、ことですね。
勧める 奨める
細かな違いがあるものの「勧める」と「奨める」は殆ど使い方は同じです。
1.相手にあることを行動としてするように働きかけること。そうするよう促すこと。
用例
「今までマラソンをしたことが無いがいきなり東京マラソンを走るという無謀な人に、まずは皇居1周のランニング大会への参加を勧める」
「意識高い系港区在住37歳外資系勤務の知り合いに毎朝15分程度、瞑想することを奨めた」
2.相手に物を差し出して、それを利用するよう促す。
「婚活パーティーで隣あった男性にどうぞとワインを奨める」
「料亭での見合いの席で相手の方にふかふかの座ぶとんを勧めた」
薦める
3.人や物などが良いとして採用を相手に促したり働きかける。推薦する。
用例
「破天荒な生き方をしたいという友人が何の映画を観るか迷っていたのでボヘミアンラプソディを薦める」
「デパートの化粧品カウンターで女子力もまつ毛も上がるというボリュームマスカラを薦められた」
行為は「勧める」を使い、「薦める」は行為ではなく対象物、その物について用いたほうが良いと思うときに使います。
たとえば、行動することを「すすめる」場合は
「早く結婚したいという友人に真面目な人が沢山来るという婚活パーティーへ参加するように勧めた」
これは参加をすすめるので「勧める」ですが、行動ではなく対象となる物や人そのものを「すすめる」場合は
「真面目な人と結婚したいという同僚にうってつけのお相手として総務課のA君を薦めた」
のように使います。
まとめますと、行動を促す「すすめる」は勧める、奨めるを、物や人など「すすめる」対象そのものを「すすめる」時には薦めるを使うということになります。
出典 三省堂 大辞林