植村明美
新型コロナウィルス感染拡大に伴い、緊急事態宣言が出されて1か月半あまり。
既に解除された府県もありますが、とうとう残っていた東京都とその周りの県(首都圏)でも解除されそうです。
新型コロナは一時期と比べると幾分収束してきたものの、終息はしておらず、宣言が解除されたからといって、すぐに元の生活に戻ろうとはほとんどの人が思っていないでしょう。
参考記事 収束か終息か
新しい生活様式の日常が始まろうとしています。
国の解除宣言に先立ち、東京都が5月15日、22日と自粛の解除や休業要請の緩和の指針となるロードマップと7つの指標などを発表しました。
けれど、わかりやすいようでよくわからなかったため、まとめてみることにしました。
5つのロードマップ
まず、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う休業要請を段階的に緩和する「ロードマップ」ですが、次の5つと発表されました。
1.外出自粛等の徹底を通じて、感染を最大限抑え込む
2.モニタリング等を通じた、都民生活や経済社会活動との両立
3.必要な場合には「東京アラート」を発動
4.第2波に対応するため万全の医療・検査体制を整備
5.「新しい日常」が定着した社会の構築
新しい日常という生活をして、今感染がある程度落ち着いた状況をなんとか維持するよう都民に頑張ってもらい、その間に、秋以降に来ると言われている第2波に備えて医療体制を整備する。また、第2波まではいかなくとも、今の規制を緩めれば当然、ウィルスがどこかに行ったり消滅したわけではないので、若干感染が拡がる。ある程度の強弱は想定しているけれども、それが大きくなりつつある時に警報を出し、規制を少し元に戻して拡がりを抑える。そうやってコントロールしつつできるだけの日常を戻して生活し、経済をこれ以上停滞しないように、そして医療の現場が崩壊しないようにしていこうという施策と捉えられます。
東京アラート
東京都は今後宣言が解除したのち、また4月8日からのような強力な自粛に戻らないように、都独自の7つの指標にもとづき、その達成状況についてレインボーブリッジの点灯により合図のひとつとするようです。
レインボーカラー、虹色の7色に20時から24時まで点灯し、これが灯っていればOK,状況が悪化した場合には「東京アラート」が発動され、レインボーブリッジも赤く染まるようです。
東京アラート自体は、災害が確実に近づいてくるのを知らせる、〇〇警報のような感じで、自粛態勢になる環境におかれつつあるという状況を知らせる警報といった感じかと思います。
7つの指標(モニタリング指標)
では、この7つの指標とはどんなものかといいますと
1.新規陽性者数
2.新規陽性者のうち接触履歴不明率(感染経路不明)
3.直近1週間の陽性者率増加比
4.重症患者数
5.入院患者数
6.PCR検査の陽性率
7.受診相談窓口における相談件数
以上の項目を総合的に判断してアラートを出すようです。
国の指針では1の新規陽性者数は人口10万人に対しての比率が0.5%以下としているので、東京都に照らし合わせると、1日10人以下となるのですが、少しそこは規準を緩めにしているようで、1日20人以下が続けばOK.逆に50人を超すと「東京アラート」の基準の1つになってしまいます。
また、いわゆる感染経路不明という人の割合が全体の50%を超えると、これまたアラートへ近づきます。
今は緊急事態宣言が出る前の3月初旬の状況に近いらしいので、これが3月下旬から4月上旬にかけて、どんどん感染者が増えてしまったあの時のような感じに近づけばまた緊縮生活に近づいてしまうということでしょうか。
そこをなんとなくではなく、数値をもって示しているのが今回の7つの指標になるようです。
休業要請緩和のステップ
そして休業要請緩和のステップですが、現在はステップ0の状況。それが26日午前0時(予想)から段階をもって緩和され、まずステップ1となります。
美術館や学校などの1部が再開され、居酒屋を含む飲食店がこれまでの20時から22時まで営業してよい時間が伸びます。
運動施設は観客席の使用停止を条件に利用が認められます。
屋内のイベントも50人までは実施可能になります。
その後、基本的には2週間の間隔を開け、次のステップに進んでいきますが、感染状況によっては間隔が短くなる場合もあるということです。
ただ、これまでクラスターが発生したことが確認されている接待を伴う飲食店、ライブハウスなどに関してはステップ3になっても緩和の対象外となっており、これらの施設は再開には慎重に検討するとのこと。
また、ステップは進むばかりではなく、東京アラートが発令されてもなお、状況が悪くなったときなどは、後退してステップ3から2へ、2から1へということもあるようです。
東京都の新型コロナウィルス感染症対策サイトには、毎日7つの指標の動向が公開されています。新しい生活様式を日常とし、7つの指標を確認して、ちょっと感染者が増えてきたと思ったら、それぞれの人が少し行動をせばめてみたりするなどの加減が暫くは続くのかもしれません。