植村明美
使うと遣う。
どちらも同じ「つかう」ですが、その使い分けはどうするのが正しいのでしょう。
先日このブログを書いていて、「言葉の遣い方」と書く時にどちらにしたらいいのか一瞬迷いました。
そこで、わかっているようでついつい迷うこの「使う」と「遣う」を改めて考えてみました。
英語にすると使うはuseですが遣うはsend、spendと出てきます。それだけで大きな違いがわかります。
使う
使うという英語のuseには用いる, 使う, 動かす, 兼ねる, 採用する、という意味が載っています。
1.物や人を役立てる、人に用事をさせる、人などを働かせて動かす。という意味があります。
例:多くの人を使う。
2.物を用途のために動かす。目的のために物や身体を利用する。
例:サッカーでは手を使ってはいけない。
3.物・金・時間などを消費する。
例:時間をうまく使って趣味の時間を確保する。
4.神経などを働かせる。
例:今日は頭も気も使ったので疲れた。
遣う
一方「遣う」の英語sendには送る, 送り出す, 出す, 届けるという意味があり、spendには費やすという意味があります。
遣うは人や物を自分の意図どおりに操るという意味や、お金や時間を費やすという意味があります。
操るということに該当するため、言葉は「遣う」となります。
例:ことば遣いに気をつける。
マレーシアで蛇遣いがいるのを見た。
結論
「使」という文字にはもともと役人という意味があり、周りの人や物を(自分や、こちら側のために)役立てるための時に「使」うという字を用います。
対して「遣」うは誰かのために自分のものや自分側の物や人を差し出す、送る場合に用います。
全く反対の用い方となりますね。
ただ、お金や時間、物を消費する場合は「使う」なのか「遣う」なのかが悩ましいところです。
「お金をたくさん使う」といいますが、「あの人は金遣いが荒い」というふうにもいえます。
一般的に今日では、お金や時間を消費するから「遣う」を用いるのではなく、動詞形であれば「使」、名詞形であれば「遣」が用いられるといえそうです。
出典:三省堂 大辞林
さいごに
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