植村明美
暦を見ていると、大安、仏滅、友引、先勝などの文字が入っていることがあります。
結婚式や開店は大安にして仏滅は避ける、お葬式は友引は避ける、などということは良く聞く話です。
ウエムラもそこそこ気にはしており、30年前の自分の結婚式も大安を選びました。
大安、仏滅、友引、先勝、赤口、先負のことを六曜といい、人々が思う六曜の意味としては、
大安(たいあん、だいあん)・・・何事も万事に於いて吉の日
先勝(せんしょう、さきがち)・・・急ぐことは吉。午前中は吉
先負(せんぷ、さきまけ)・・・控えめに1日を過ごす。午前は凶
友引(ともびき、ゆういん)・・・お祝い事は吉だが葬儀などは凶。正午は凶
仏滅(ぶつめつ)・・・仏を滅するということから万事凶。葬式・法事は構わない
赤口(しゃっこう、しゃっく、せきぐち)・・・仏滅よりも凶日とされ祝事は大凶。火の元、刃物に要注意。正午は吉、朝夕は凶
とされています。
しかし、この六曜がただランダムに並べただけのものだという衝撃の事実を最近知りました。
元々六曜は中国で生まれたもので、時間を区切り太陽が昇ってから日が落ちるまでと、日が落ちてからまた太陽が昇るまでをそれぞれ三つ、計六つに区切り名前を付けたもので、時間と日をそれぞれの名前で呼ぶことにしたものです。
実は、旧暦では先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の順番にただ並んでいて、旧暦の毎月1日にはこの6つのうちのどれかが必ず割り振られることが、こちらも決まっています。
1月と7月の1日は先勝、2,8月は友引、3月と9月の1日は先負4月10月は仏滅、5月と11月は大安です。
規則正しく順番に巡りますが、月末になるとそこで一旦順番は終わって、各月の1日は上記のようにこれまた規則正しく決められた曜日からスタートするのです。
つまり、現在私たちが1週間を月火水木、と割り振って呼んでいるのとほぼ同じです。
今の六曜カレンダーは、これを現代のカレンダーに当てはめているので、1月と7月の1日が先勝なわけではありませんが、旧暦と照らし合わせると、ただの繰り返しであるのがわかります。
ただ、旧暦と太陽暦の日付けの違いがある為、規則正しく見えず、何とも占い的な要素があるように見えるのが不思議です。
太陽暦の曜日の名前は太陽と月と惑星の名前であることは知られていますが、「〇月〇日は大安だから結婚式はこの日にしよう」とか、「〇日は仏滅だからやめよう」というのは、「明後日は水曜日だから婚姻届けを出そう」「今日は火曜日だから目立たずじっとしている方が良い」と言っているようなもの、と言えるのかもしれません。
ただ、友引は葬儀がほぼ入らないことから、葬儀社の社員の人がお休みを取りやすかったり、お坊さんも予定を入れることができる、など実際便利という側面もあるそうです。
大安だから良い日だね、というように前向きに考えるのは、決して悪いことではないかとも思います。
出典:国立国会図書館「日本の暦」 (https://www.ndl.go.jp/koyomi/)
仙台市天文台 (http://www.sendai-astro.jp/)