植村明美
皆さんは星を見るのはお好きですか?
悲しい時、嬉しい時、何でもない時も、ふと見上げた空の月や星が美しく、心が洗われたり、救われたり、そんな経験は誰もがお持ちでしょう。
6月の日本は梅雨の時期で、空模様もすっきりしないことも多く、月や星が見られない夜もありますが、今年の6月中旬から下旬にかけて、数百年に一度の宇宙の競演を見るまたとない機会が訪れています。
この期間、明け方の空には全ての惑星を揃ってみる事ができます。
資料提供:国立天文台
惑星といえば、水金地火木土天海冥と覚えた方も多いと思いますが、ウエムラも知らなかったのですが、これが一度に見られることというのは早々ないのだそうです。
幾つかの惑星が地平線の上に出ていたら、他の何かはもう地平線のより下の位置になってしまったり、揃っていても昼間明るい間だったり、ということのようです。
まずは明日、2022年6月18日の日の出1時間前。
南の空に注目。
そこには月があり、そこから東の地平線に向かって、土星、海王星、木星、火星、天王星、金星、水星が並びます。
肉眼で見えるのは、恐らく水星、金星、火星、木星、土星です。
ただし、水星は地平線からあまり高くないところにあるので見つけにくいかもしれず、注意が必要です。
水星は、太陽系の一番内側を公転している惑星のため、太陽から大きく離れることがなく、水星を見つけるのが容易になるのは太陽からの見かけの距離が大きくなる「最大離角」という時に限られているんだそうです。
水星は6月16日に西方最大離角を迎えますが、今回は、高度が高くなって見やすくなるのはそれより少し後の期間で、それが大体18日から27日くらいまでということ。
また、低空にある水星を見つけるためには、山や高い建物等で東の空の視界が遮られていない場所を選んだほうがいいとのことです。
なかなか難しいですが、ぜひ見つけたいものですね。
また、海王星は8等星と大変暗いため、実際には肉眼で見ることができません。
海王星を見るには、望遠鏡が必要です。
天王星の明るさは約6等で、目の良い人がやっと見つけられる程度ということです。
夜明け間近の空に、惑星がほぼ一直線に並んでいる様子が見られます。
これは、本当に直線に並んでいるわけではなくあくまでもそのように見える、ということです。
この惑星大集合とも、惑星のパレードとも呼ばれる現象は、可視性の条件に関係なく、空に同時に現れる視覚現象ということであれば前回2020年7月にも見られましたが、1晩に同じ空に全て同時に見られるというと、この水星が西方最大離角を迎える今回を逃すと、次回見られるのは2492年ともいわれていますが、実際に並ぶのではなく並んで見えるため、その定義によって何年後というのはまちまちのようです。
ただ、2098年6月30日はなんと月火水木金土の順で並ぶんだとか。
いずれにしても明日6月18日の東京の日の出は4時25分! ということで、その1時間前というのは夜明け前というより、真夜中という感覚ではありますが、ぜひ、お子さん、ご家族、ご友人で空を見上げたいものですね。
出典および資料:国立天文台