植村明美
7月19日(月)は海の日です。
海の日、山の日と、夏らしい祝日が7月8月と続きますが、以前登山をした際に、山の日に関するクイズがあり、「海の日があるなら山の日も! ということで作られた」というようなことを言っていたのが印象的でした。
ということは海の日のほうが先に制定されたのだと思いますが、なぜ海の日という国民の祝日ができたのでしょう。
内閣府の「国民の祝日について」を見ると、海の日は7月第3月曜日で、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」と解説されています。
当初は7月20日となっていましたが、これは7月20日が海の記念日だったためです。
明治天皇は各地を精力的に視察されていましたが、明治9年、東北地方を50日間かけて巡幸されました。
7月20日はこのとき灯台巡視船「明治」で青森から横浜に無事帰着された日です。
これ記念して海の記念日となりました。
もともと灯台は諸外国との間で設置が義務付けられたもので、明治二年に横須賀の観音崎灯台に初めて灯火され、その後全国の岬ごとに設けられて行きました。
今は無人化されている灯台ですががかつては大半に職員がいて、人々は「灯台守」と呼んでいました。
岬の端に立つ灯台はかつては辺境の地でもあり、灯台守とその家族は大変不便な生活を強いられている役職でもありました。
各地の灯台を巡幸する巡視船が日用品を届けていたということですから、この巡視船の役割の大きさというのはどれほどだったことでしょう。
ましてや、明治天皇自らが巡視船で回ってくださるということは、どれほどのものだったか、想像ができます。
日本は四方を海に囲まれた海洋国であり、昔から外国からの文化の伝来をはじめ、人の往来や物の輸送、産業、生活な どの各分野にわたって、海に深くかかわってきました。
このような海と国民のつながりから、国民の祝日「海の日」を設けようという動きが大きくなり、平成8年には「海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日」として7月20日が国民の祝日「海の日」として制定されました。
その後平成13年6月、「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律」が成立したことで、平成15年から7月の第三月曜日に移動し、三連休となっています。