内田絵梨
日本では昼間がもっとも短い日!冬至!
2016年は、本日、12月21日が冬至です。
今回は冬至にまつわる豆知識をご紹介します。
冬至とは
二十四節気の22番目で、北半球では一年のうちでもっとも日の出から日没までの時間が短い日です。
日の出から日没までの時間が最も短いということは、太陽がてっぺんに来る高さが最も低いということです。
太陽がそのような状態になるとは一大事! 太陽なくして私たちは生きていくことはできません。
昔の人々は冬至を「太陽の力が最も弱まる日」と考え、その対策として「厄払い」を行いました。
今に根付く風習として挙げられるのは、かぼちゃとゆず湯でしょう。
この二つにはどのような意味が込められているのでしょうか。
運が2倍になる食べ物
昔から、言葉には不思議な力が宿っていると信じられてきました。言霊信仰がその最たるものですね。
日本人は洒落を使った縁起担ぎが大好きです。
昔の人は「ん」がつくものを食べると「運」が呼び込めると考えました。
大根やうどんなどがそうです。
「ん」が1つでも「運」が呼び込めるのに、2つも入っている有り難い食材があります。
そうです。なんきんです。
こうしてかぼちゃが冬至に食べられるようになったのですね。
ちなみに、「ん」が2つつく「冬至の七草」の中にもかぼちゃは入っています。
冬至の七草は以下の七つ。「なんきん」「れんこん」「にんじん」「ぎんなん」「きんかん」「かんてん」「うんどん(うどんの旧名)」
冬至の七草フルコースで味わうと、最高に運気があがりそうですね!
そんなに食べられないという方は、運盛り(うんもり)を行ってみてもよいかもしれません。
最後に「ん」のつく野菜や果実を盛り合わせて供える縁起担ぎです。冬至の七草の野菜をはじめ、冬瓜や大根、みかんやレモンなどを一緒に盛ります。
無事に一年が終わったことに感謝を込めて、来る年の「運」を願うもので、目にも鮮やかで素敵ですよ!
ゆず湯は語呂合わせ
冬至の日のゆず湯に入りだしたのは、江戸時代に銭湯ができてからの比較的新しい風習です。
始まりは客寄せのためにお湯にゆずを入れたことから。
語呂合わせの洒落から「ゆず湯に入り身体が健康になれば融通がきく」と言われました。
「冬至」=「湯治」
「ゆず」=「融通がきく」
という語呂合わせですね。
また、ゆずは香りが強く、邪気が起こらないと捉えられていました。
身を清めるのとあわせて、邪気払いができるということで、「禊」の意味合いも強くあったのです。
端午の節句の菖蒲湯と同様ですね。
ところで、桃栗三年柿八年といいますが、ゆずが実るまで何年かかるかご存知ですか?
実は、木を植えてから実が収穫できるまで15年から20年ほどかかるそうです。
ゆず湯には「長年の苦労が実りますように!」との願いもこめられています。
縁起担ぎが盛りだくさんですね。
一陽来復
さて、先にもご説明した通り、冬至は「太陽の力が最も弱まる日」です。
逆に考えると、冬至を底として、日は長くなり続けます。
まるで火の鳥のように、弱まった太陽が復活する様は、人々の目には縁起のよいものと映ったのでしょう。
冬至の別名は「一陽来復」。冬至からよみがえる太陽になぞらえたこの言葉は、悪いことが続いた上で幸運に向かうことの意味でも使われます。
つまり冬至は、運が上向きになり、今まで悪かったことが良い方向に向く転換日という顔も持っているのです。
捉え方の違いから、「厄払いの日」と「縁起が良い日」の正反対の意味を合わせもつ冬至。
厄払いをして、すべてをリセット。「これからは良くなる一方だ!」と前向きな気持ちで過ごすと良いことがあるかもしれません。