植村明美
株式会社アグリゲート
本社にお邪魔しました
グッドクロスからほど近い場所に、昔ながらの趣の八百屋さんがあります。そう、先日スイーツ記事で紹介した旬ムージーを販売しているお店旬八青果店です。
旬の野菜や果物が並び、価格も手ごろなので、グッドクロスの社員で利用している人も数多く。
このお店、昔からの町の八百屋さんかと思いきや、SPFというビジネスモデルを掲げる企業が経営するイマドキの八百屋さんでありました。
旬八青果店を運営する株式会社アグリゲートの本社オフィスはわたくしどもグッドクロスからすぐの場所とわかり、早速広報の佐藤様にお話を伺ってきました。
オフィス入ってすぐのこちらのお部屋、ナチュラルな内装で気になります。何でしょう。会議室でしょうか。
託児室でした! すごい。すでに感動。社員や子供に優しい会社は地球や社会を優しい目で見てくれている気がします。
創業秘話
――御社が創業された経緯や創業にまつわるお話を伺えますか。
創業者で社長の左今は、学生の頃から、地域活性をしたいと漠然と考えていたようです。
きっかけは日本全国をバイクで旅したときになります。
最初は長閑な田園風景が広がっていていいなあと思っていましたが、それは最初のうちだけで、繰り返しその景色を見ていたら、地方は人が本当にいないということに危機感を感じてきました。そして旅先で出会った農家の人達は後継者不足に悩んでいました。年配の方ばかりで若者がいない。これでは10年後はどうなってしまうのかなと。
かたや東京は東京で人は沢山いるのに野菜は高いし鮮度も落ちている。
地方の課題も感じるし東京の課題もある。そこで地方と都市を繋ぐサービスを始めようと思いました。
最初は人材業界に入りました。農業に優秀な人材を入れたいという思いから、人の流れをみるためです。ただ、その時期は始発で会社に行って終電で帰るという生活。食生活も乱れ、当然身体の調子が崩れていきました。
そういったことから、地方の美味しい野菜を旬にこだわって、適正な価格で都市に届けるということをしようと思いました。
この会社を始めてからは、どんなに忙しくても、やはりいつも食に関わっているために、食事の乱れで体調を悪くすることは無くなったようです。
当初から社長自身がバイヤーのひとりとして自身が消費者として買いたいと思えるものを仕入れています。
旬八青果店とその他の事業について
――通販でなく実店舗での対面販売ということにされたのは理由があるのでしょうか。
当初はとあるスーパーの青果部門を担当させてもらっていましたが、そこでは私たちは対面販売をしていました。これはどんな栽培方法ですよ! これはどうやって食べるとおいしいですよ! など伝えて接客をしていました。そこで得たお客様の反応から、何が求められているかなどの情報が蓄積され、自分たちのやりたいことをやりきりたいと思い、自分たちのお店を持つことにして、1号店は中目黒駅前に出しました。
実店舗、対面販売の良さというのは、お客様に情報を伝えることで、お客様が喜んでくれる。安心する。
伝えることで美味しくなる。ということがわかりました。
売る方としては、対面でお客様とお話をしながら販売することでニーズを拾いながら商売ができるという利点があります。
お店は前からそこにあったような雰囲気にしています。これは気軽に買い物ができる、入りやすいと思っていただけるようにです。
どこか懐かしい雰囲気でありながら、売り方は今の方に合わせて、模索しながらやっております。
実店舗中心でありますが、オンラインの販売も行っています。
――現在の主な事業の内容を教えていただけますか。
事業の柱は5つになっています。
販売事業、生産流通事業、地域活性事業、教育事業、IT事業です。
弊社はSPFという生産から流通、販売までを一貫して自社で行うという方法をとっております。自社農場も運営しており、契約農家さんと一緒に売れる商品を作っています。
そして、旬八青果店で販売し、旬八キッチンでは店頭にそのまま置いていたらロスになってしまう可能性のある商品をお惣菜にして販売しています。
――なるほど、だからお弁当やサラダ、旬ムージーはこのクオリティでこの価格なんですね。
例えば店頭の桃が何かにぶつかってしまって、一部が茶色くなって売れなくなってしまう。でも、その部分をとってジューサーにかけたら美味しいジュースになる。
野菜も、まだまだ美味しくいただけるけれど、このままだと売れ残りが出てしまいそうだ。では、サラダや煮物にしましょうか、と。そうやって利用することで、ロスも出ないし、お安く提供できるのです。
――五反田店でもお弁当やサラダ、旬ムージーありますね。旬八大学も気になります。
もともとは、社内向けの講座でした。その様子をFacebookにUPしていたところ、外部の方々からこれ、一般の人受けられないの? と沢山問い合わせをいただきまして、始まりました。
農家の方もバイヤーや販売の人の目線を知りたいということで参加されています。
気軽なワークショップのカルチャー講座とバイヤー講座や食に関わるプロ向けのビジネス講座と設けています。
また、地域の活性化にも取り組んでいます。
種子島フェアというのをしたことがあるのですが、種子島ってロケットですとか鉄砲伝来以外、イメージがなかなか湧かないかもしれないですが、安納芋などとても美味しい特産品があります。他の地域でも安納芋作ってはいますが、その土地ならではの風土、種子島なら、海に囲まれているので潮風の影響を受けている土でミネラルが多く、だからより甘くて美味しいお芋になるとか、特徴があるんですよね。
そういったことをお客様に伝えながら知っていただいて、買っていただくということが大切だと思っています。
なるほど。そういう情報を知ることができるのは嬉しいですね!
今後の展望
――今後の展望をお聞かせください。
今既に動いていることを拡充していきたいです。
生産農家向けの事務作業を効率化させるサービスを行っていますが、そちらも充実させていきます。
いくつかそういったソフトは他にもあるんですが、いざ使ってみると余計な機能が多くて皆さん使いこなせないんです。もっとミニマムなもので、スマホで片手で入力して「はい出荷」、「はい、入金あり」とか。そういう風にできて事務作業を簡略にしていけたらと思います。
また、旬八青果店、旬八キッチンともに店舗数を増やしていきたいと思います。
これからも地方の旬の良いものを適正価格で都市に提供する、ということをしていきたいです。
旬八青果店五反田店
そして実際に一番近いお店、旬八青果店五反田店を案内していただきました。
マンゴスチン珍しいですね。パッションフルーツもあります。
名前と値段のほかに、産地や、どんな味なのかということと共に、食べ方なんかも書いてあるので嬉しいですね。
更に、お店の方に聞けばもっと詳しく色々と教えてくれます。
ウエムラもこのとき、かねてからの疑問であった「パッションフルーツの種は食べていいのか。」を聞いてみました。
「食べられますよ。あのぷちぷちを楽しんでください。」というお答えでした。あらあ、ずっとスイカみたいに出してしまっていました。
そういう情報がその場で得られるのが嬉しいですね。
マンゴスチンはへたのところに手を入れてぱかっとすると簡単に割れるんだそうです。
葉物も本当に豊富に揃っています。しかも良心的な価格。どれもこれも買って帰りたい。併せてサラダにしたらもりもり食べられそうです。
今が旬のベビーコーン。当日は生で食べられるんですねえ。こういう情報も嬉しい。
ひげが美味しい。グリルでどうぞとあります。髭食べたいです!
五反田のパクチーストの皆さん、パクチーありますよ~。
そして河内晩柑とか日向夏といった、高級果物店でないとなかなか見ないような果物も並びます。しかもお値段安い! これは嬉しいですね。
五反田ベツバラ日記でもご紹介した旬ムージーは奥の冷蔵ケースにありますよ。サラダも新鮮でコンビニで買うより全然良いです。しかもドレッシングもついての価格。ドレッシングもなんと手作りだそうです。
お昼にはお弁当もあります。
あれ?
今週のお試し価格、豚生姜焼き?
え~! お肉もあるんですね!
お聞きしたところ、お肉も安全・安心なものをということで販売されているのです。確かに、抗生物質の少ない飼料で育っているかとか、飼育環境とか、ソーセージでしたら添加物がなるべく少ないものとか、気になります。
しかもつくねとかぎょうざのタネとか、働く女性にとって嬉しいですね。
お話を聞いて、旬八青果店さんの店先のお野菜に一層愛着が湧いたというか、大切にいただこうという気持ちになりました。
これからもGC社員、旬八さんのお野菜もお弁当も利用させていただきたいと思います!
株式会社アグリゲート様、ありがとうございました。
旬八青果店