植村明美
今日は渓流を造っている会社に伺う。と聞いて
てっきり土木工事の会社に伺うものと思っていたところ、
「室内などに置ける渓流」と聞いて、すっかり混乱したウエムラ。
混乱した頭のまま向かったのは東京ビッグサイト。
ちょうど、こちらで開催されていた国際ホテル・レストランショーに、
その、渓流を造るという会社
THE KEIRYU COMPANY が出展されているということで、
早速ブースに突撃です。
バーベキューコンロのブースでいきなり大きなお肉にかぶりつくハンチョー。
安心してください。ほんものじゃありませんよ。
そして、目的地はこちらではなく、お隣なんですよ。
こちらが、今回お話を伺う
THE KEIRYU COMPANY代表の小野田さん
そして、こちらがその
渓流です!
渓流ユニット1600TypeⅠ
おおお!
まさしく渓流です。
まるで山間の景色を見ているようです。
美しい春の景色が
テーブルの中に入っている……!
そして、その音にも癒されます。
THE KEIRYU COMPANYは、一昨年2015年11月に設立された
まだ1年4カ月ほど前にできたばかりの会社です。
代表の小野田さんは、元々自動車メーカーの輸出部門にお勤めの会社員でいらっしゃいました。
その後、転職され、ブラジルで熱帯魚を扱う会社に勤務、世界のセレブを相手にお仕事をされていました。
帰国後、ドイツのハノーバーに本社を置く、世界中の水族館の水槽を作った優秀なポンプ製造メーカーの輸入代理店をします。
熱帯魚の水槽の心臓部はポンプ。
あるとき、このメーカーが、ポンプの技術を使ってアマゾンの川を再現。
水族館の観覧者に川の流れを横から見せるものでした。
それを見た小野田さんは、川を上から見た流れを作ることを提案しましたが、外国人には何のことかが伝わりません。
小野田さんが、日本の渓流の写真を見せたところ、
Wonderfull!
Wunderbar! (ドイツ語。たぶんあってます。)
と驚かれました。渓流の流れを上から見た図を思い浮かべるというのは、山岳を多く有する国に住む日本人だけが持っている感覚だったのです。
小野田さんは渓流の流れの要となるポンプ会社の社長から
「もしきみが作りたいなら、是非この美しい日本の川を再現すればいい。流れの部分の技術は我々が提供するから。」と言われます。
日本には、華麗な植栽はたくさん見られますが、渓流を都市空間に再現したものというのは殆どありません。あったとしても、高低差を使った緩やかな流れのものや、大がかりな施設が要るものでした。
小さなもので、この流れの速さを出すことは技術的にも難しいことでしたが、優秀なポンプのおかげでそれを可能にしたのです。
こうしてTHE KEIRYU COMPANYの渓流は誕生しました。
2015年秋に開催された「産業交流展 東京2015」に初めて出展、大きな反響をよびます。
2016年には、小野田さんの奥様が盆栽教室に通っていたご縁から、
三越日本橋店の盆栽展に出展。
その後、三越日本橋本店の逸品会に世界の一流品と肩を並べて紹介されました。
今回展示されているのは春の木々、花々でしたが
植物は変えることも可能です。
秋の紅葉の風景も好評だったとのこと。それも美しいでしょうねえ。
植栽については、剪定契約を結べば月に1~2回手入れをしてくれますが、
もちろん自分でやってもOK。
上でご紹介したのは、川の両岸に植栽する通常タイプの中では最も大きい
渓流ユニット1600(TypeⅠ)
下は奥にのみ植栽する最も小さいタイプの渓流ユニット750(TypeⅡ)
小さいので、マンションの部屋などでも簡単に設置ができます。
また、透明なアクリル製であるため、水の流れを横からも楽しむことが可能です。
現在、実際に個人のお宅や歯科医院の待合室
マンションの屋上ガーデンなどに実際に設置され、人々の癒しとなっています。
既存のものではマンションに設置された4mの渓流部に植栽のみの部分も加わった
計6mのものが最大ということですが
実際には10~20mくらいまでのものは造ることが可能ということです。
お披露目依頼、大反響となっている渓流ですが
小野田さんの次の目標は、商業施設に設置し
ランドマークの役割を担うこと。
「○○ビルのあの、渓流のところで待ち合わせね。」というように。
そして、不特定多数の都市空間に渓流を造っていきたいということでした。
今後もTHE KEIRYU COMPANYの快進撃は続いていきそうですね。
丸の内か青山辺りの渓流前で待ち合わせをする日もそう遠くない気がいたします。
人が造った渓流とは何のことかと見に行ったところ、
木瓜が咲き、梅が香る
美しい日本の早春の風景がそこにはありました。
渓流の流れも、小野田さんのお話も清々しく
心が洗われた1日でした。
THE KEIRYU COMPANY
〒160-0022 東京都新宿区新宿1丁目32番地11号山口ビル6F
TEL: 090-6006-1492