植村明美
東京平版様避難訓練
創業78年
のBCPへの取組みと
リアリティある避難訓練がとても素晴らしいということを
原田社長からお聞きした私たちは
実際の避難訓練の様子を見学して参りました!
ある日の朝8時
東京平版株式会社
佐々木社長直々にお出迎えいただき
営業部営業第2課の畠山課長より
今日の訓練の流れなどを伺います。
グッドクロス総務担当のれい子さん
グッドクロスでもBCP策定が急務とされている折
聞きたいこと、知りたいことが
沢山あるようです。
訓練開始
と、そこで鳴り響くサイレン。
社員の方が一斉にデスクの下に潜ります。
私たちも机の下に。
来客のあった時にどうするという対応の練習も兼ねてということで
ちょうど地震発生時に来社していた
お客様という設定で参加させていただくことになりました。
そういう点までも想定して訓練するという姿勢に
感心するばかりです。
お客様用のヘルメットお借りします。
初めて被るヘルメットに
ちょっと嬉しい。
しっかりあご紐を固定します。
各自ヘルメットを被り
準備をして社屋の外に一旦出ます。
階段を使って
一旦会社の駐車スペースに集合
各フロアの上長より報告がされます。
3名の所在が不明
全社員のうち合計3人の方の所在が確認できないようです。
皆さん社外には出ていないとのことで
上長がその場で選んだもう1人とバディを組んで
建物内を捜索します。
必ず2人1組で行動することになっています。
お~い。○○さんいますか~。
1人見つかりました。
怪我をしているようで両脇を抱えられて運び出されます。
あ、いたぞ!
という声。
こちらの方は脚を怪我しているという設定のようです。
救護班が準備をしています。
怪我の程度によりますが、自分たちで応急処置ができるようであれば
施します。
先程見せていただいた
折りたたみ式のヘルメットは
被るとこうなるんですねえ。
後から写真で見ると
ウエムラのヘルメットずれまくっています。
きちんと顎で調整しないといけません。
と、何か不測の事態が起きた模様です!
あ!
火災が発生した模様です。
2階のベランダ部分に火が見えます。
初期消火担当者が駆け付け
消火にあたります。
消火器も日頃訓練していないと
いざという時に使えないので、
こういった訓練は必要だなと思いました。
こちらの地区の広域避難場所は後楽園なのですが、
一旦、近くの中学校に一時避難するために会社の敷地を出る訓練です。
そして本日の全ての訓練を終えて皆さま
持ち場につかれます。
おつかれさまでした。
現在の取組みと今後について
訓練終了後に
東京平版株式会社のBCP担当の方から
お話を伺いました。
営業部営業第2課
畠山課長
と
生産部製版課
藤田主任
です。
――毎月1回避難訓練をされているということなのですが、きっかけは3.11などの震災でしょうか。
きっかけはやはり多発する震災規模の地震です。
東日本大震災の折には、何をどうすれば良いかわからず、それを教訓にBCP委員会は発足しました。
佐々木社長の「社員の命は守らなくてはならない」という強い気持ちが先ずあります。
初めの2年間で事業計画書を策定しました。今季のBCP委員会では実践的なBCPを掲げて活動しています。
その活動の中で避難訓練の回数を増やしひとつでも多くの命が助かるようにし、家族の元へ帰れるようにしたいと思っています。
毎月の実施というのは、社員の中には「何でそんなにやるのか。」と思う人もいると思います。けれどもパターンを身につけていざというときに考えないでも行動できるということを考えると、やはり毎月ということになり、今年に入ってからは毎月実施しています。
――大変細かな設定がされていますがそれはどなたが考えるんでしょうか。
月1回おこなわれるBCP委員会で月毎の担当者を決め、実際に起きるであろうことを想定した内容になるよう注意して内容を作成していきます。
詳細は担当者と上長が決めています。今回は行方不明者が3名という設定でしたが、居なくなる役割の人にのみ、上長がその日の朝、声をかけます。
「今日はあなたいなくなる役だからね。」と。部署のほかの人は知らない。だから、寸劇ではありますがある程度臨場感はあります。
――バディを組んでいるようでしたが、それも決まっているんですか。
不明者が出たという場合、上長は必ず捜索のため建物の中に入りますが、必ず2人1組で行動します。バディはその場で上長が指名します。
今日は火事が出たという想定の訓練も急きょ決めて行いましたが、初期消火担当は各フロアに1人決めています。
けれど、あくまでも無理をしない。これは手に負えないと思ったらすぐに撤退するということをいつも言っています。
――消火しただけでなく、火災が起こったけれども、初期で消火され、事業への影響は無いことをお客様に報告するように、という指示もされていたのに驚きました。
ひとつでも多くの命が助かるようにするということが第一でありますが、同時に災害時に如何に早く事業を再開し、お客様へのご迷惑を最小限にとどめることができるかということが大事ですし、課題となります。
――非常用持ち出し袋の中は何が入っているのでしょうか。
会社から支給したものは、エマージェンシーシートとヘルメット。そして個人で用意してもらった懐中電灯、軍手、マスク、水、簡易食糧、笛などです。1カ月の準備期間を設けて各自で用意してもらいました。それが必須のもので、あとは個人で用意したいものがあれば入っています。
――今後の課題はおありですか。
これまで一時避難場所への移動確認は行っていますが、広域避難場所への移動確認が未だなので、その実施と、消防署協力による消火訓練、AEDの使い方でしょうか。AEDに関しては、一刻を争うため、自社で持ちたいと思っています。
また、災害時に如何に早く事業を再開し、お客様へのご迷惑を最小限にとどめることができるかということが課題となります。
備蓄品も見せていただきました。
備蓄品を収納している棚全てに
転倒防止器具つけられています。
孤立するような場所ではなく
食糧などは各自の避難袋にも備えておくようにしている
ということから
生きるための
最低限のものを備えていらっしゃるということです。
お水とカロリーメイト
非常用トイレ
――最後に、御社のサイトを拝見すると「ないものあります」という言葉を掲げていらっしゃいますが、これはどういう意味でしょうか。
当社は創業78年、製版主体の会社です。現在の事業はもちろん、新しい技術もより早く習得するようにしています。また長年培ってきた製版技術や知識を生かし他社様では困難な事やできない事に対応できるものと思っています。「ないものあります」とは、課題に対し他ではできない事も当社ではできます。または、できるように最善を尽くし、より良い結果をご提供します。という事です。
実際に避難訓練を拝見し
お話しも伺えたことで
今後グッドクロスも準備していかなくてはならないことや
課題などがよくわかりました。
東京平版の皆さま
ありがとうございました!
BCPとは
事業継続計画 Business Continuity Planの略
自然災害、火災、テロ、など予期せぬ出来事に企業が遭遇したときに、重要業務に対する被害を最小限にとどめ、最低限の事業活動の継続、早期復旧を行うために事前に策定する行動計画のこと。
関連情報
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