植村明美
国民的朝の番組といえば、NHKの連続テレビ小説。先シーズン放映された「まんぷく」はカップラーメンの生みの親、日清食品の創業者である安藤百福とその妻がモデルとなったドラマでしたが、注目の日清食品の公式サイトにかなり不思議な応援サイトがあるのを見つけました。
なんとキングオブマイナー競技と位置付けて近代五種を揶揄? 応援しているのです。
この日清の応援サイトで知ったのですが、驚いたことに、近代五種の日本国内の競技人口はわずか30人だそうです。30人て……少ない。
近代五種。競技の名前は知っている。けれどその競技を観たことがある人も少ないと思われますし、ルールも知らないという方が多いのではないでしょうか。
わたくしたちは、日清食品さんという大企業も絶賛応援している近代五種についてやはり注目しなくてはいけないと思い、ルールなど競技について調べることにしました。
まず、競技名に近代とついていますが近代があるなら古代がありそうです。
そう。あったのです、古代にも。
古代オリンピックではペンタスロンという競技があり、内容はスタディオン走(短距離走)、幅跳び、円盤投げ、槍投げ、レスリングの5競技でした。
因みにスタディオンは古代ギリシャの距離の単位で1スタディオンは約190m。後にこの距離の直線走路を持つ競技場を指す言葉スタディアムとなります。
それに対して、近代オリンピックを提唱したクーベルタン男爵が、近代オリンピックにふさわしい五種競技をということで考案したのが、近代五種なのです。
近代五種競技はフェンシング、水泳、馬術、レーザーラン(射撃、ラン)で古代のものとは全く別の内容となりました。
考案したクーベルタン自ら「スポーツの華」と称したとされています。
以前は1日に1競技で数日間にかけて行われていましたが、1996年のアトランタ大会から1日で5種すべてを行うようになり、心身共に追い込まれるハードな競技となりました。
まず、フェンシングはフルーレではなく男女ともにエペで行われます。1分間1本勝負の総当たり戦。勝率70%の時点を250点とするため、1勝あたりの得点は、出場人数により試合数が変わるため参加者数により増減します。
1996年のアトランタ大会から1日で5種すべてを行うようになったと書きましたが、2016年リオデジャネイロ大会の際は1日目に男女ともにフェンシングが行われ、2日目にその他の競技が一挙に行われました。
フェンシングの次は水泳です。
水泳は200m自由形。男女共に2分30秒で250点を基本としており、0.33秒につき1点(1秒3点)得点が増減します。
お次は乗馬。
馬術競技は12障害15飛越(ダブル、トリプル障害を含む)で300点満点の減点方式で行われます。
近代五種の馬術は、自身の愛馬とともに出場する通常の馬術競技と違い、くじびきで騎乗する馬が決まります。よってどんな馬が来てもうまく呼吸を合わせる必要がありますし運もあります。そのため馬を操る技術のみならず、粘り強さや冷静な判断力など精神力も必要とされます。
そして勝敗の決まる最終種目レーザーラン。
以前はランニングと射撃は別の種目でしたが競技時間の短縮のために、北京オリンピック後の2009年からランニングと射撃(レーザーピストルを使用)をミックスして行うレーザーラン競技に変更されたということです。
13分20秒を500点とし、フェンシング・水泳・馬術の3種目の合計点を1点=1秒として、上位選手からタイム差でスタートし、射撃とランニングを交互に4回行います。射撃は、レーザーピストルを使用し、的に5回命中させます。射撃の制限タイムは50秒です。ランニングは、800mを4回行います。フィニッシュした順番が最終順位となります。
と公式サイトに説明があります。
む、難しすぎてウエムラは1回では理解できませんで広報宣伝班のメンバーに説明してもらいました。
とりあえず言えることはこの最後の種目でどんでん返しが起こることが多く、勝敗がきまることもありますし、フィニッシュの順番が最終順位となるので、よくわからなくてもこれでゴール先にした順に順位が決まるのでこのフィニッシュさえ観れば勝敗は目撃できるということです。
競技者も1日がかりなら観るほうも1日がかりですが、やはり最後のレーザーランが勝敗のカギを握る感じがします。
近代五種の公式サイトを見ると、オリンピック強化選手のインタビューもありまして、どうやら強化選手の殆どは自衛官か警察官の方のようです。
考えてみたらフェンシング、馬術、射撃など単体の競技をするにも道具の準備や練習場の確保が大変なのに、それを全部やるとなるとなかなか個人で続けることが難しいし、色んな意味で自衛隊や警察の方なら競技を続けられそうです。
そして三口智也選手、岩元勝平選手、小野友行選手らのオリンピック強化選手が揃ってイケメン揃いなところにも注目したい!
2020年東京オリンピックのチケットの価格表を見ると開会式のA席300,000円は別格としても近代5種は決勝のA席でも4,000円で観られます。東京オリンピック開催の際は、どの種目でもいいから是非観戦したいと思っているあなた。近代五種は狙い目かもしれません。
ざっくりでもルールを覚えたら観戦が断然楽しくなると思いますよ。
参考
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