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東京五輪を10倍楽しむためのルール予備知識 フェンシング

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東京オリンピックまであと500日。

代表の座を巡ってアスリート達の戦いがいよいよ熾烈を極めているところだと思います。

2020年東京オリンピックで競われる競技は33。

水泳、アーチェリー、陸上競技、バドミントン、野球・ソフトボール、バスケットボール、

ボクシング、カヌー、自転車競技、馬術、フェンシング、サッカー、ゴルフ、体操

ハンドボール、ホッケー、柔道、空手、近代五種、空手、ボート、ラグヒー、セーリング

射撃、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン、卓球、テコンドー、テニス

トライアスロン、バレーボール、ウエイトリフティング、レスリング、です。

陸上や水泳のようにその中で沢山の種目に分かれているものもあるので、種目数ともなるとすごいことになりそうです。

オリンピックが自国で開催されるとなると、やはり実際に競技場で観戦して観たいという気持ちもわきますし、実際に観戦する人も当然、沢山出てくると思います。

テレビでも本物でも観てみたいけれどバレーボールや野球はやったことが無くても観ていたら大体ルールがわかるけれど、ちょっと馴染みのない競技はルールがわからない。そんな競技種目のルールを自分も勉強しながら解説していきたいと思います。

よくわからない競技の筆頭に名前が挙がっていたのが近代五種。先ずは近代五種を取り上げて解説しようと思っていましたが、名前からもわかるように五種類の競技を競うものであり、ルールが複雑で先に進まない……。

そこで、近代五種の中の競技の1つでもあり、人気も認知度も上昇したにも関わらず、未だルールがよくわからないとされるフェンシングを先にとりあげてみることにしました。

因みにウエムラは学生時代、フェンシング部に所属し高校3年の時には都大会団体戦で準優勝し関東大会へ出場しています。また、バッヂテストというルールの理解度テストでは東京都で第3位という輝かしい成績(自分で言う)を収めましたが何と言っても数十年前のこと。この度記事を書くにあたり、しっかり勉強し直しましたよ。

フェンシングの歴史

フェンシングは中世ヨーロッパ騎士道から発生したものです。

「身を守る」「名誉を守る」為に発達した剣の技でありました。その後火薬、鉄砲などの発達により戦や決闘など実際の戦いの場面では衰退していきましたが、競技として発展していきました。

日本の剣道と通じる点がありますね。

フェンシングは3種目あり、ルールや使用する剣の種類が違います。突きのみが有効となるフルーレとエペ。そして斬り(カット)も加わるサーベル。このどれもが東京オリンピック2020の種目となっていて、それぞれ個人戦と団体戦があります。

個人戦は言うまでもなく1対1での対戦となり1セット3分で3セット15点先取で勝敗が決まります。

団体戦は4人で1チームとなりますが出場するのは3人。せーので一斉にこの3人が戦うわけではなく、1回の試合は1対1の戦いの総当たり戦で、勝利チームが決まり、3分間・5本勝負(5点先取)を9試合行い得点の多い団体の勝ちとなりトーナメント方式で勝ちあがっていきます。

フェンシングはピストと言われる、球技ならコートにあたる細長いパネルの上で行われます。

基本的に横への移動が無く前進と後退のみでセンターラインを挟んで向き合い、相手の有効面を攻撃します。

個人戦では3分間で5本先取した方の勝ち。決勝トーナメントは、3分間3セットで15本先取した方が勝ちとなり、同点で時間終了となった場合は予めコイントスをした上で1分間延長戦が行われる。これで勝敗が突かない場合はコイントスでアドバンテージを持っている者の勝ちとなります。

このルール中世ヨーロッパの決闘のなごりといえるでしょう。

フルーレ

フルーレの有効面は背中を含む胴体。突きのみが攻撃として認められます。

ただし、フルーレでは単純に先に突いたらポイントが入るのではなく、攻撃権が重要視されます。

攻撃権はまず腕をまっすぐ伸ばして剣先を相手に向けたほうに与えられます。

利き腕を真直ぐに伸ばし、利き脚を膝が直角になるよう踏み出すファンデヴというフェンシングの攻撃の基本姿勢をとります。

このまま突けばポイント。

個人戦では3分間で5本先取3セット15点先取で勝敗が決まります。

フルーレの正式な試合ではメタルジャケットという金属繊維の織り込まれた上着を着用します。剣の先は尖っているわけではなく、平たい螺子頭のような形状で相手を突くと凹むようになっており、ジャケットや剣にはリールコードがついていて電気で反応しランプがつくしくみになっています。

フルーレでは早く突くということのみならず、攻撃の優先権が尊重されるため、先に伸ばされた剣を払ったり叩いたりしてすぐさま腕を伸ばすと攻撃権が移りますので、審判はその攻撃権の移る様子などをしっかり見て判断しなくてはなりません。

相手の攻撃をかわしながら一瞬のうちに攻撃権を奪い相手を突くというスピード感のある応酬が見られます。

エペ

エペのルールは単純明快。有効な攻撃は突きのみで前身全て足の裏までが攻撃面となり、先に突いたほうにポイントが入り、同時に突いた場合は双方にポイントが入ります。

優先権が無いため、ランプを見ていれば比較的勝敗がわかります。

床を突くこともあるため、ピストを突いたときには電気審判装置で別の色のランプが点灯するようになっています。

全身が攻撃有効面のため、胴を突くと見せてふいっとつま先を突くなど変化に富んだ攻撃は、見ていて楽しむことができます。

サーブル

フルーレとエペが突きだけが有効な攻撃として認められるのに対し、サーブルは「斬り(カット)」が加わります。フルーレと同様、優先権が尊重されますが、剣の重さや斬る攻撃が加わることで、よりダイナミックな攻防が見られる種目です。

どの種目も全身を覆う防護服を着用し、頭部はマスクを被ります。

ただし、フルーレとサーブルでは優先権が尊重されますし、剣を持っていない手を使ってはいけないなどのルールは電気の判定器だけではわからない為、審判の裁量が必要となります。

練習用語もそうですが、試合はほぼフランス語で進められ、主審の「アルガルド(構え)」の掛け声で構え、「エドヴ・プレ(用意はいいか?)」「アレ!(始め)」の合図で開始されます。

強豪国と日本選手の活躍

ヨーロッパ発祥のスポーツであるため、競技人口の多いヨーロッパに強豪国が多く、特にイタリア、フランスが双璧であると言えるでしょう。

手足を伸ばして攻撃権を得、突くことから、リーチの長さが有利とはなりますが、それだけではなく緩急をつけた展開と間合い、頭脳プレーが必要となるスポーツでもあります。

相手が攻撃してきた剣を払い素早く跳躍とともに回りこみ相手の背中を突く、などの軽やかで頭脳的なプレーは日本の選手の得意とするところです。

日本でフェンシングが注目されるきっかけとなった2008年北京大会で太田雄貴がフルーレ男子個人で銀メダルを獲得したほか、男子エペ個人で優勝した韓国のパク・サンヨンなど、アジア選手の成長と活躍が著しいと思われます。

日本ではフルーレの選手の活躍が主流ではありますが、若い世代の育成にも取り組んできた結果、3種目とも技術レベルが年々向上しているそうです。また、太田雄貴がフェンシング協会会長となってから、小学生などの教室を沢山開くなど後継者の育成に尽力するだけでなく、試合会場に華やかな演出を取り入れるなどしてファンを増やし、選手の層を厚くするための努力を重ねてきました。

2020年東京オリンピックでは日本選手の更なる活躍が期待できそうです。

用語集

プレ    用意

アレ    はじめ

アルト   やめ

サリュー  試合の最初と最後に行う丁寧なあいさつ

マルシェ  1歩前進

ロンペ   1歩後退

アタック  攻撃

ファンデ・ヴー  利き足を前に踏み込み攻撃姿勢をとること

トゥッシェ    突き

パレード(パレ) 相手が伸ばしてきた剣を払うこと

リポスト     相手の攻撃を払った状態でこちらが剣を伸ばし攻撃権を得ること

コントルアタック 相手の攻撃を阻止しながら行う攻撃

ボンナバン    ジャンプしながら前進

フレッシュ    矢のように駆け抜けながらの攻撃

ピスト      フェンシングの試合のコート

 

参考・出典

東京2020公式サイト

tokyo2020.org

 

日本フェンシング協会公式ウエブサイト

fencing-jpn.jp

 

 

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