植村明美
4年に1度の祭典オリンピック。
いよいよ開幕が目前となりました。
新種目の競技が追加される背景には、若者の関心を呼び起こすという目的もあると言われているようです。
パリオリンピックで新種目となったブレイキン。
注目が集まっていますがブレイキンとは一体どんな競技なのでしょう。
ブレイキンとは
ブレイキンはブレイクダンスとも呼ばれるアメリカ、ニューヨークのサウスブロンクスが発祥のダンスです。
1970年代のブロンクスは貧困層の暮らす地域で、ギャングの抗争も激しく、沢山の命が奪われていました。
そんな中、暴力でなくダンスで勝負をするという事が提唱され、向き合って1対1で勝負する、ダンスバトルが始まったのです。
ブレイキンは、ヒップホップの4大要素「4 ELEMENTs」(DJ、MC(ラップ)、ブレイキン、グラフィティ)の一つです。
ブレイキンを踊る人は「B-boy、B-girl」と言われ、性別問わずブレイカーとも呼びます。
音楽を担当するDJと進行のMCがいて、音楽はDJが選曲し、選手たちは事前に楽曲を知ることはできません。
選手はその場で流れる音楽に合わせて即興でそれぞれが瞬時にその場に合わせたダンスを披露していくのです。
ブレイキンは主に次の4つの要素から構成されています。
TOPROCK(トップロック)、FOOTWORK(フットワーク)、POWER MOVE(パワームーブ)、FREEZE(フリーズ)です。
TOPROCK(トップロック)
立った状態で足のステップと上半身の踊りの組合せで始まるダンス。
このダンスがムーブ(演技)の始まりの合図ともなります。
FOOTWORK(フットワーク)
しゃがんだ状態で素早く動かすステップや足さばきなどを指します。
POWER MOVE(パワームーブ)
ブレイキンを代表するムーブでアクロバティックな動きでダイナミックに表現されます。
背中や肩で回るウィンドミル、頭で回るヘッドスピン、体操の鞍馬の技にもあるトーマスフレアなどが有名でこの後に紹介するフリーズと組み合わせたり、フリーズで締めくくったりすることもあります。
FREEZE(フリーズ)
トップロック、フットワーク、パワームーブなどの一連の流れから、音に合わせて身体や動きを止め固まったように動きを停止することをフリーズと言います。
逆立ちや肘、頭などで身体を支えてそのまま停止するポーズなどが有名で、特に有名なのがチェアーと呼ばれる椅子に座ったようなポーズで止まる事です。
バランスやパワー、柔軟性など多くの要素が必要で、いかにその人らしく個性的に止まるかも重要です。
パリオリンピックにおけるブレイキンのルール
パリ2024大会では、男女それぞれ16名の選手が1対1で直接対決、交互にダンスを披露して競いあいます。
通常3~5人置かれるジャッジはパリ大会では5人。
5人のジャッジは、「技術性」「多様性」「完成度」「独創性」「音楽性」の5つの基準に基づいて採点を行います。
日本代表は4人。
B-boy Shigekix(半井 重幸)、B-boy Hiro10(大能寛飛)、B-girl AMI(湯浅亜実)、B-girl AYUMI(福島あゆみ)の4選手です。
コンコルド広場というこの上ない優雅な舞台で行われるブレイキン。
日本選手団の旗手を務めるB-boy Shigekix(半井 重幸)選手は世界ランキング1位、日本はメダルも大いに期待されています。
百聞は一見にしかず。
ギャングの抗争から平和的な解決の為に発祥したダンスバトルは世界で最も有名な舞台で繰り広げられるスポーツとなりました。
ブレイキンはこの夏、世界中のより多くの人の心を捉えるかもしれませんね。
ブレイキンの中継は後半戦8月10日PM10時50分~男子予選がNHK総合チャンネルで。
翌午前2時~男子決勝リーグがフジテレビで放映予定です。
決勝がどの競技も微妙に夜中からですねえ・・・悩ましいです。
さいごに
世界へ羽ばたく第一歩は英語から。抑えた費用で英語漬けの毎日を