内田絵梨
留学のすすめ!第五回目は和食が食べたくて食べたくて震えないようにするための方法をご紹介する。
ホームシックと侮るなかれ。
寝ても覚めても和食のことしか考えられない!これってもしかして恋・・・?などという冗談を言えなくなるレベルで体が和食を欲するので、もはや薬物依存やアルコール依存症の禁断症状のそれなのだ。
DNAに刻みこまれ、浸透し、もはや自我すら乗っ取る勢いのWASHOKU!
日本人は等しく和食のとりこ、奴隷であると自覚せざるを得ない。
恋しや日本
留学をしたら現地のもので舌鼓を打つ。
大変貴重な体験で、それが持続すればこの上ないが、私の経験からすると留学が長ければ長いほど舌鼓が舌打ちになってしまう。
恐らく更に長い長い舌打ち期間を経ると、あきらめの境地に達し、舌が留学先に適応するのではないかと思うがそれまでストレスフルな食事を取り続けることはナンセンスだ。
人は現在進行形で死に向かって生きている。
死ぬまでに食べられる食事の数はいかほどか?
一日三回食事をするにしてもその数は日々減り続けているのだから楽しく美味しく食事をしたい。
留学先で日本食が食べたくて食べたくて夢に出てくる前に、対策をいくつかご紹介しよう。
アジア料理でごまかす
まず考えられるのがアジア料理でごまかすこと、だ。
特に中華料理は世界のどこでも食べられる。
値段もリーズナブルで気軽に入れる店が多い。
そして何より美味い。(最重要)
長きに渡る和食断ちの際に、中華出汁の玉子スープなど飲んだ日には、胃袋に沁みわたりすぎて涙がにじむほどだ。
ただ、あまりにストレスがたまっているとチャーハンにすら殺意を覚えるので注意が必要だ。
「なんで具を入れて炒めた!? 白米をくれ! 白米だ! うぉおおお」と、白目をむいて叫び出しそうになるのであくまでもごまかしであることを心に留めておきたい。
なお、韓国料理店は白米がメニューに載っていることが多いので、米騒動を起こしそうなくらい白米に餓えている場合は韓国料理店を探してみると良いかもしれない。
日本から持っていく・送ってもらう
ほとんどの人が日本からなにがしかの食材や調味料、レトルト食品を持っていくだろう。
もし同じ学校で同じ時期に留学する仲間が居るのであれば、担当をあらかじめ決めておくのがお勧めだ。
調味料でいうと、醤油とだしの素は必須だ。あると便利なのがめんつゆ。
みりんは白ワインと砂糖やはちみつで代用できるので必要ないかもしれない。
インスタントの味噌汁は定番であるし、もしスーツケースに空きがあるならうどんのカップ麺なども良いだろう。 味付け海苔もかさばらなくてGOOD!
それから、駄菓子も優秀な持ちこみフードだ。
小腹がすいたときに食べられるし、現地へのお土産としても人気が高い。
ちなみに私は友達から分けてもらったもずくのスープで泣いた。
もずくで涙したのは後にも先にもあのときだけだ。
自分で作る
自分で作ることができる環境があるのであれば是非自炊をしよう。
長期留学なら炊飯器を買ってしまえば心の拠り所となる。
欧米での留学の場合は、スーパーの製菓コーナーに短粒米が置いてあることが多いのでチェックしてみよう。ミルク粥用の米が極めて日本米に近い。
最近は日本食品専門店やアジアショップも多く、品揃えも豊富なのでよほどの田舎でない限りは和食を作ることが可能だろう。
和食レストランへ行く
お金に余裕があるときの最終手段だ。
ここで重要なのは日本人が経営している店にいくこと。
そこまで切羽詰まっていない場合は、寿司バーやなんちゃって和食を笑って食べられるが、そうでない場合は期待値が高いだけに感情の振れ幅が凄まじい。
下手に他国の人が経営している店に入ってしまうとあまりの「これじゃない感」に怒りがこみ上げるか、はたまた悲しさのあまり鬱が加速するか、どちらにせよより一層和食への思いが募ってしまう。
下調べはちゃんとして、日本人のレビュー評価の高いお店に行こう。
いかがだろうか。
答えはシンプルで、食べたくて食べたくて震える前に食べる。
和食への欲が満たされることで、また現地の食を楽しむ余裕も出てくる。
「本当はあれが食べたいのになぁ・・・」と嘆くのは自分にも、目の前の料理にも失礼だ。
一食一食を楽しんで、留学生活をより豊かなものにしていただきたい。