植村明美
皆様ステイホーム週間、如何お過ごしでらっしゃいますか。
子供たちも学校が休校となって久しいですが、親子で工夫しておうち時間を楽しんだり、自学をしたりして過ごしているようですね。
今回はグッドクロス社員の息子さんが寄稿してくれた、ステイホーム週間ならではの記事をお届けいたします。
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こんにちはYUMAです。
今回は勇書真記という話を担当させていただきます。
では一つ話をしましょう。
・・・時は1473年。室町時代。応仁の乱で焼け野原になった京にある一人の侍がいました。
「はあ、はあ。全くどこにおうても戦とは」
侍は周りを見わたしますが、どこもかしこもたび重なる戦でつぶれたり、燃えたりしています。
「だがあともう半里(約二㎞)で山城国だ」
この侍は、自分の故郷である山城国へ帰ろうとしているのです。
「おーいそこの侍。貴様、いい物持っているではないか。その荷物置いていけば許してやろう」
「ぐ!」こんなところで賊に見つかってしまいます。
ですがこの荷物は、母の形見の茶器が入っています。こんなところで失ってはたまりません。
「これは母の形見だ。お前ごときにはやれぬー」
賊は刀を抜き走ってきます。
「ハアァァヤッ!」火花が飛びかいます。
バスッ。賊が倒れこみます。
「とどめだ」
「ヒイ。いやだあー助けてくれ、見のがしてくれよー」
「フッぶざまだな」
「ボッ」という刀が振り下ろされる音と共に、賊の首が宙を舞いました。
侍は再び歩きます。
八分の一刻ほどたち、日が暮れてきました。すると、
「だれかーいないのかー?」
侍はすぐさま声をした方をふり返りますがだれもいません。
「助けてー」今度は女の人の声です。ですが声の主は分かりません。
「さきほどから、助けを求めている声がしたのですが、どこにいるんですかー!」
返事はありません。
「まさか幻聴?つかれてるのか」確かに最近歩きっぱなしです。
「少し・・・休もう」ドサッ。
「ん!俺寝てたのか。早く家へ行かなければ」
「助けてーだれかー」侍ははっとします。
「まさか、まだ幻聴?」
おそるおそるふり返ると人がいます。
「どうしたんですか?」
「わたしの、わたしの子供がうばわれたんです!! お願いします。お願いします。子供を取り返してください」
「ですが私も急な用事がありまして」
と言うが母親の声は止まらない。ほとほと困り果てる侍であった。
結果願を受けてしまった侍は、夕暮れの中子供を探しまわった。まだ少し暖かみのある風が早くしろと言っているように侍は見えた。
どうにかこうにか子供を見つけ母に返すと、母は喜んで何回もお礼をしました。
侍は人がいなくなったことを確認すると薄気味悪い笑みをうかべ、荷物を出しました。
母の茶器を見ると母の美しい笑顔がこちらを力のない目で見つめていました。
「さあ、早く帰らなければ」侍は急ぎ国へ帰っていった。
どうでしたか。おもしろかったら光栄です。
この作品の舞台は応仁の乱でしたね。応仁の乱を簡単にせつめいしましょう。
1467年、時の将軍足利義政のあとつぎ争いにより、日野富子と足利義親が対立して起きた戦いで、11年の長い戦争だったので11年戦争と呼ばれています。これにより幕府の力がおとろえてしまい、本格的な戦国時代が始まります。
この作品を書いた人
YUMA
新学期から未だ登校実績なく品川の下町に巣籠もり中の幻の小学六年生。
晩飯のメニュー確認が日課。テストで点が取れない損なタイプの歴史マニア。
原田社長との歴史クイズバトルに勝利することが当面の目標。