山田 れい子
開催まで賛否両論ありましたが、いざ開催されてみると毎日映し出される選手たちの汗と熱い涙に心が動かされた東京オリンピック。
スムーズな大会の運営には、多くのボランティアの方々の力があってこそというところもあったように思えます。
グッドクロス経営企画室の山田さんも、千葉のサーフィン競技会場のボランティアをしました。
今回は、ボランティアの体験記をお送りします。
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ボランティアにエントリ―したときは、まさかこんなことになるとは予想もせず、世界中からたくさんの人がやってきて日本でのスポーツのお祭りを楽しむのだろうと!
そして、そんな世界のお祭りに少しでも自分が参加できたら楽しいだろうなとワクワクしか有りませんでした。
それが昨年開催数か月前にまさかのパンデミック、あれよあれよという間に社会のオリンピック熱が冷めていき最後にはオリンピックがまるで悪いことのようになってしまい、ボランティアをやることさえあまり大声で言えない雰囲気に。こりゃまたどうなってしまうのだろう。
ましてやお客様対応としてずっと研修をうけてきたのに、直前での無観客決定。
「何をやるのだ~~!!?」当日まで仕事内容がわからないという状況でした。
それでも、ボランティアを残してくれて「希望者にはできるだけお仕事をやってもらおうと思います」といってくれた準備委員の方たちの言葉には、感謝の気持ちでいっぱいでした。
朝、2時半に起きて3時過ぎには家をでました。
指定の駐車場まで車で行ってそこからシャトルバス40分乗って会場に向かいます。
着くと自衛隊、医療関係者、ライフガード、準備委員会の方々、そしてたくさんのボランティアが集まっていました。
私はサーフィン会場だったので選手は40人、それに対してその5倍、いやもっとか? の人たちが関わっています。
準備を含めるとものすごい人数でしょう。
医療関係の人は7年かけてやっとこの日を迎えられた。この場にいられることがとてもうれしいと言われてました。
メダルをとった選手のインタビューでもここまでこれたのは沢山の方たちの支えがあったからだという言葉の意味がとてもよくわかります。
私の仕事はビーチに座って桟橋の巨大モニターがある場所へ入る人にヘルメットの着用を促すのと選手の練習場に関係者以外が入らないように見張る係。
最初は選手の演技も観られてラッキー♪と思ってたけど日が昇るにつれダラダラと汗、塩アメなめて水飲んでしのぐ。
1時間交代で休憩中に食べるお弁当が楽しみになる。
ちょうど台風がきていて、友達からは心配されたけど、サーファーにとっては好都合! 日本とは思えない大波、昔見た「Big Wednesday」という映画を思い出しました。
3日目は、朝から雷雨の大荒れでマネージャーさんからは自分で判断して無理しないでいいですよ、と。
ま、それでも行くのが私だけど(小学校の頃台風が来ると逆にウキウキしながら学校に行っていたものだ)。
そしてその日、期待のカイア君(カイアとはハワイ語で‘自由‘という意味らしい。素敵!)が大活躍、準決勝、決勝と勝ち進む。また女子の部は、アムロちゃん(絶対お母さんは安室ファンですよね)が準決勝進出。
あとは、TVでの内容通りです。
不謹慎覚悟で言うと、やっぱり生でみんなに観てもらいたかった。
これはサーフィンに限らずだろうけど、生の空気は全く違う。台風で荒れた海はとてつもなく恐ろしい、そこに立ち向かう選手たちの勇敢なこと。
陸上では目の前を走る選手は、風のようだと聞く。
そういう空気を感じて将来に夢を描く子供たちはたくさんいるだろうしなによりこの制限の多い状況下において明るい気持ちにさせてくれる。
オリンピックではないけど、昔私が大阪万博を見に行って動く歩道に仰天して世界の国旗の美しさやその国旗のもつ意味に感動して、世界中の人が集まってくることに感動して、TVで見る閉会式には涙がでて、それが今の自分に多大に影響していることは間違いない。
そして世界の人々にもこんなに美しい日本を観てもらいたかった。
でも生きているとどうにもならない状況も起きるんだということもわかりました。
これから後半戦に続きますが、この状況下でのオリンピック開催が世界中の人々の希望になりますよう心から祈ります。
この記事を書いた人
経営企画室:山田