内田絵梨
本日2022年8月23日は処暑。
朝夕に涼しい風が吹き、心地よい虫の声が聞こえだす頃合いです。
そのため、まだまだ暑さは残るものの、暑気払いをするのは本日頃までが目安とされています。
今回は夏の暑さを打ち払う、暑気払いについてお話しします。
暑気払いとは
暑気とは「夏の暑さ」や「暑さによって病気になること」を指します。
それを払うということは、冷たい食べ物や飲み物、体を冷やす効能のある食品や漢方で体にたまった熱を取り除く、ということです。
暑気払いの歴史は古く、平安時代には貴族たちが夏に氷を取り寄せて暑気払いを行っていたことが分かっています。
清少納言の枕草紙にも第40段「あてなるもの」に「削り氷に甘葛(あまずら)入れて、あたらしき鋺(かなまり)に入れたる」という一文があります。
あてなるものは「上品な物、よい物」という意味ですから「細かく削ったかき氷に甘い蜜をかけた物を新しい金属製のお椀に入れたもの」がとても魅力的だったことが分かりますね。
暑気払いの時期
暑気払いを行う時期には目安があります。
それは季節が春から夏に移り変わって暑さを感じ始めた頃から、秋の涼しさが訪れる頃までです。
暦でいう夏至から処暑まで。今年だと6月21日から8月23日頃までが暑気払いを行う目安です。
また、暑気払いと似た言葉に「納涼会」があります。
納涼は夏の暑さを避けるために工夫を凝らして涼しさを味わうことです。夕涼みを指すことが多いです。
この歴史も古く、平安時代には夏の盛りに水辺や木陰や涼しい別荘で避暑をする風習がありました。
源氏物語の「六条院釣殿(つりどの)の納涼」にもその様子が描かれています。
夏の気配が感じられる頃から行う暑気払いに対し、納涼会は夏の暑さが本格的になる7月から8月にかけて行われます。
参考:RING BELL GIFT CONCIERGE(暑気払いの正しい意味&時期 おすすめのギフト) / 一般社団法人日本かき氷協会(1-かき氷とあまづらに関して) / じゃらんニュース(暑気払いの時期はいつ?正しい意味や納涼との違い、おすすめの食べ物など徹底解説!)