植村明美
「善玉菌」を増やす!
「善玉菌」を増やして、まずはこの冬、風邪知らずで乗り切りませんか♪
腸活のススメ!」前篇では、腸の健康が如何に重要かというお話をしましたが、
後編では、実際に善玉菌を増やすにはどういう方法があるかをご案内します!
「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」
「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。1文字しか違わないから紛らわしい。けど、この際、覚えておきたい言葉です♪
筆者は、ちんぷんかんぷんながらも、「プロ」になる手前だから「プレ」(前の、とか一歩手前という意味)。「プレバイオティクス」は「善玉菌」になる前の状態のもの(「善玉菌」のえさになるもの)と覚えましたが、どうやらその覚え方で問題無いようです。
「プロバイオティクス」はギリシャ語で「健康のために」という意味で、腸内環境を良くするための微生物、「善玉菌」そのものと、それを含む食品のことです。
「善玉菌」といえば、すぐ思い浮かぶものが「乳酸菌」ですよね。
「乳酸菌」を含む食品の代表と言えば、「ヨーグルト」ですが、ヨーグルト以外に「乳酸菌」は含まれていないと勘違いしている人も多いかもしれません。
それは「乳」という文字からイメージする、漢字を含む言語を遣う、私たち日本人特有の性質かもしれません。
「乳酸菌」は文字通り「乳酸」を排出する菌でありまして糖を分解して乳酸を作り出します。
そして、腸内を酸性にし、侵入してきた細菌やウイルスなどをやっつけたり、発がん性物質の腸内での合成を妨げたりします。また、腸の繊毛運動を活発にし、食物の消化吸収を助け、便の排出を促します。
乳酸菌には「動物性」と「植物性」がある
のです。
「動物性」乳酸菌の代表と言えばやはりヨーグルト。
「植物性」乳酸菌には、日本の「すぐき」やぬか漬けなどの「漬物」、韓国の「キムチ」(厳密には動物性も混ざる)、ドイツの「ザワークラフト」などがあります。
面白いところではフィリピンの「プト」という蒸しパンも乳酸菌を利用して作られたお菓子です。
また、「善玉菌」には「乳酸菌」の他に「ビフィズス菌」もあります。
「乳酸菌」と「ビフィズス菌」の違い
「乳酸菌」と「ビフィズス菌」の違いは、「乳酸菌」が乳酸を排出するのに対して、「ビフィズス菌」は「乳酸」と「酢酸」を排出する点です。
「酢酸」は強力な殺菌作用がありますので、悪玉菌の繁殖を抑える効果があります。ただし、自然界において、「乳酸菌」はどこにでも存在する可能性があるのに対し、「ビフィズス菌」は、酸素があると生きていけない性質があり、人や動物の腸内にのみ存在しています。
残念なことに、「乳酸菌」も「ビフィズス菌」も、健康な赤ちゃんの腸の中にはたくさんいるのに対して、年をとると、どんどんその数が減っていきます!
なんてこった!加齢によってお腹の中の菌まで減るものなんですねえ。
もしかしたら、お肌の曲がり角とかっていうのも、腸内の「善玉菌」が減ってくるのと関連しているのかもしれません。
だから、年を重ねるほど、腸内環境には気を配る必要があります。
腸内環境を良くする方法は主にこの2つ。
「善玉菌」プロバイオティクスを直接腸内に送り込む
これは、一番、ダイレクトで簡単。
「善玉菌」を含む食品「ヨーグルト」などを食べることです。
けれど、簡単なようで、なかなかどうして取り込んだ「善玉菌」を腸内に定着させるとなると、一筋縄ではいきません。
まずは遺産問題ならぬ胃酸問題。
ご存知のように人間の胃酸には強力な殺菌能力があるため、「善玉菌」も例外ではありません。口から入った「善玉菌」は食道を通り、胃で殺菌され死滅します。
それで、「ヨーグルト」や「サプリメント」を製造するメーカーはこぞって「生きて腸に届く乳酸菌」を研究し、開発し、宣伝してきました。
「生きて腸に届く」商品を食べるのも良いですし、植物性の乳酸菌は、熱などに強いことがわかっていますので、そういう食品を食事に取り入れてもいいでしょう。
しかしながら、頑張って生き延びた「善玉菌」も、そう簡単には腸に定着しません。
だから、毎日、摂るのが理想であり、そうすることが効果的なのです。
また、腸内には何兆個という「善玉菌」が住んでいますが、さまざまな種類もあり、自分にあった種類の「善玉菌」でないと、効果が得られないということもあります。
尚、最近では死滅した「善玉菌」も、無駄死にではなく、その死骸も腸で善玉菌のえさとなることが分かって来ています。
そして「善玉菌」はエサを得ると、その数を増やすことができます。
それで、安定した商品を作るために、殺菌した「善玉菌」(死菌)を使った商品も多く登場しています。
「善玉菌」のお弁当「プレバイオティクス」を送り込む
さて、「善玉菌」は、えさを得ると、その数を増やすことができるとわかりました。
そして、「プロバイオティクス」は腸内に定着させるのが難しい。であれば、「善玉菌」のために、えさとして良質の「プレバイオティクス」を送り込んでやれば、「善玉菌」は増えていく可能性が高いということになります。
では、「プレバイオティクス」にはどんなものがあるのでしょう。
「プレバイオティクス」には「食物繊維」や「オリゴ糖」があります。
これらは、食品として摂るのも良いですし、サプリメントを利用するのも良いと思われます。
「食物繊維」を摂れる食品としては、野菜や豆類、大麦などの雑穀、きのこなどがあります。
最近、「もち麦」がちょっとブームになっていましたが、大麦は不溶性食物繊維が豊富なので、もっと手に入れ易い「押し麦」などでもいいので、ご飯に混ぜて、食事に取り入れるのをお勧めします。
「オリゴ糖」を含む食品としては、玉ねぎやアスパラガス、ゴボウ、はちみつなどです。
ヨーグルトにはちみつをかけて食べるというのは、美味しいだけでなく、理にかなっていたんですね。
腸が元気なら、全身が元気になり、幸せ気分もUP↑
お肌もぴかぴか、ダイエットをしなくても適正な体重を保てる、外から侵入してきた菌をやっつける力もあるので、病気になりにくいなどいいことづくめです。
風邪などの感染症にもかかりやすいこの時期、腸を健康にして、自分のことは自分で守れる身体を目指してみるのも楽しい気がします。病気にならなければ医療費も抑えられますしね♪
一流のアスリート達も、プロテインを飲むことより、乳酸菌を摂ることに、シフトしてきているという話も聞きます。
さあ、今日から、腸活!早速始めませんか。