内田絵梨
感動の東京マラソンから早一週間。プロジェクトの立役者たちにインタビューを行いました。
あの日あの時、何を思い何を願ったのか。赤裸々に語った真実とはいかに……。
立案者 れい子さんの場合
ここから全てが始まった
――れい子さんは今回の東京マラソンプロジェクトの立案をされたましたが、そのきっかけは何だったのですか?
自分の周りに走っている人が結構いたんですよね。
自分だけで走るのは怖いけれども、周りを巻き込んでしまえばいいかも、と(笑)。
他の人も結構ノリノリで応募しちゃって。
――結局13人でしたっけ?
それだけ集まるとは思わなかったですね。
まず最初に社長が「やる!」とおっしゃったので、他の人がNOと言えなくなった雰囲気はあったかも。それでも「絶対当たんないし!」と続々と応募が集まって……。
まゆちゃんもノリで応募した一人でしたね。まさか自分が当たるとは思ってなかった。「走るのやだな」というところまで考えていなかった。
――確かに私も、現実的じゃなさすぎて走るビジョンすら思い浮かばなかったです。
でも、そういう人が当たるんだよね!(笑)
だから、まゆちゃんは本当にがんばったよ。根性あるよね!
応援団長として
――東京マラソン前日は万全の体制でサポートするためにご実家に帰られたとか。
朝7時前には、まゆちゃんが受付に向かうと聞いていたので、その前に荷物を預かったりとか心細さのケアとか。
――れい子さんが端を発したことだから余計に。
そうそう。もう母心です。
――当日のれい子さんはまゆちゃんとおそろいのランニングシューズでしたが、心を一つにという意味を込めて?
そうですね(笑)。あと、楽だからです。色々移動することも考えて。
――結局、どこで応援したんですか?
最初に、グッさんとまゆちゃんの脱いだ服を預かる予定で新宿三丁目あたりで落ち合ったんですけど、二人とも「渡すものがない」ということで飯田橋に移りました。
その後、蔵前、森下、大門、御成門とまわって、大手町でゴール後に合流! でしたね。
マラソン前半は二人に追いつけたのですが、後半は間に合わなくなってしまって急遽応援ポイントを変更することもありました。
お昼も食べちゃったし……。
――あの、豪華な中華ですね(笑)。
二人ががんばってるときに贅沢しちゃったから、あまり触れられない話題ですね(笑)。
――当日の応援のメンバーも数が多かった印象でしたが。
グッドクロス応援団は、前半はポイント毎に分散して、後半になるほど大所帯になっていきましたね。
グッドクロス以外の街道の応援の方々に関していえば、前半はまばらな感じだったのですが、蔵前あたりから急に人が増えちゃって……。蔵前、森下は応援場所がなかなか取れなかったです。
だから、場所を探している間に、二人が目の前を走る時間が迫ってくる焦りがありました。
――グッさん、まゆちゃんを見て、「この地点くらいからキツそうになったなあ」という印象を受けたところなどはありますか?
いや、二人とも目の前を通るときは元気そうなんですよね。
ただ、蔵前だったか、森下だったか……グッさんが虚空を見つめて走っているところを見てしまって。こちらの声援で「ハッ」とする様子からキツさを感じました。
でも、結局は二人とも最後までこちらの声援に応える余裕がありましたね。
――そういえば、まゆちゃんは前半は、閉門ギリギリで走っていたとか。
※東京マラソンにはいくつか収容関門があり、制限時間内に通過しなくてはなりません。
ああ。飯田橋の関門はすごい数の団体が通った後にやってきて、見つけやすかったですね。一番、話もしやすかったです。
実際は、閉門ギリギリだったわけですけど。
だから、後半、よく持ち直しましたよね!
応援団長からのメッセージ
――ランナーの方にメッセージはありますか?
まゆちゃんには申し訳ない気持ちでいっぱいです(笑)。
でも、よく文句も言わずにやりきったよなぁ、と。
――お母さん目線ですね。
ふふふ。
――他のグッドクロスの方に向けてはどうですか?
感謝の一言です。
↑結果発表を喜ぶれい子さん | ↑話題にできない豪華中華 |
プロジェクトについて
――今回、応援グッズが色々ありましたが、それらは全てれい子さん発案なんですか?
パネルは私じゃないです。恐らく、制作部の方が自主的に。
のぼりは箱根マラソンを見て真似ました。
このプロジェクト自体、上長の方々が乗り気だったのでトントン拍子に話がすすんだところはあります。
――「これは良い案だ!」と。
良い案というよりは、怖いものみたさ?(笑)
罰ゲームですよね。
――このプロジェクトは大成功だったと思うのですが、れい子さん的に「もっとこうすれば良かった」という点はありますか?
えぇ? どうです?(笑)
――全て手探りで始まったプロジェクトですからね。100点です!
まあ、二人とも完走できましたしね。
ただ、無理強いだった割には皆さんが従って……協力してくれたことがあってこそですね。
だから、反省点としては強引すぎたところですかね。
――いや、あれくらいひっぱる人がいないとまとまらなかったと思います。
鞭を打ってでもね!
――募金も鞭を持って集めてましたもんね(笑)。
募金も意外に集まりましたね。ありがたかったです。
――そういえば社長も2回もジョギングに参加されてましたね。
そうですね。社長が盛り上げてくださいました。
社長のあのヘタレぶりが皆を盛り上げたんじゃないでしょうか。
自分でもおっしゃってましたし! 自分がヘタレであればヘタレであるほど「いいね!」がつくと(笑)。
ただ、走るのは本気で嫌だったんじゃないですかね。
――今回の東京マラソンには、れい子さんは落選されましたが、そのときはどんな気持ちでしたか?
落選したときはホッとしましたよ!(笑)
――当選してたら。
言い出しっぺだからしょうがないとは思いますけど、走れる自信はないですね。
――じゃあ、今年は応募は。
どうするんでしょうね?(笑)
私からは怖くて言い出せません。
――誰かが「このプロジェクトは社長か発案者のれい子さんが当たるまでやるのかな?」と言っていましたが。
いやいやいや。
社長が当たるまでやるのはいいかもしれないけど、でも……。
走りたい人はいるかもしれませんね。
私は怖くてもう発案できません!(笑)
ただ、何度も言うようですが、本当に今回のまゆちゃんはよく走り切りましたよ。
――1ヶ月前のお台場ハーフマラソンでもゴールがやっとでしたよね。
15キロに届かないくらいから歩いてしまって……。最後の5キロは「いいよ、辞めよう」と言いながらのゴールでした。
それでもやっぱり、ジョギング練習に一人一回でも参加してくれたり、靴の購入を一緒にしたり、ああいった「一緒に何かをしてくれる仲間」が居たから完走できたんじゃないでしょうか。
――いい話ですね。なんか……。
(笑)
でもあんまりいい話すぎると面白くないかな? 何かちょっと毒を吐かないと!
あ、そうだ!
元々の目標としては「社長を健康にする」というのがあって、その辺が……
――足りてないですか?
足りてないですねぇ……。お腹を凹ませられなかった。
健康プロジェクトですから、他の人も含めて皆で走って健康になるのが一番の理想でしたがそこが足りませんでした。
――グッさんとまゆちゃんが一身に背負うことになってしまいましたもんね。
グッさんは日常生活でジョギングをされている方ですから、その延長だったんでしょうけどね。
――まゆちゃんは、走り始めて何か変わったでしょうか?
うーん。元々細いですから。
でも、体力がついたと言っていました。
――それでは、健康診断で引っかかる人ほどジョギングに参加しなくてはならなかったのですね。
そうなんですよ! そこがちょっと失敗点です。
――ちなみに参加しなきゃいけなかった方は誰か聞いてもいいですか?
健康診断に3大引っかかる人が、社長、アラキさん、ヤゴさんです。
保健師さんの指導が入る人がこの三人だったのですが、そういえば、その三人が練習にあまり参加していない!!
社長2回、ヤゴさん1回、アラキさん0回です。
――ダメじゃないですか(笑)。
(笑)
――では、来年以降もこのプロジェクトが続いたら、積極的に参加していただくということで。
そうですね。
個人的には、来年の東京マラソンに社長があたって、走りきれずに収容車(はとバス)でドナドナされると最高におもしろいと思います。
――締めの毒が絶妙ですね。本日はインタビューにお答えいただき、ありがとうございました。
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