後藤 真理子
9月16日土曜日。忍び寄る台風の気配を感じながらも張り切って集合場所へ。
印刷産業青年連絡協議会(以下、印青連)主催の「移動サロン」に参加してきました。
ところで、「移動サロン…って何!?」初参加の私は不思議に思いましたが、印青連の毎年の恒例行事、バスで回る工場見学ツアーのことをそう呼んでいるそうです。
今回は大型バス2台に分乗して、埼玉県を中心に3社の工場を訪問しました。
まず最初に訪れた『株式会社太陽堂成晃社』様は、箔へのオフセット印刷、擬似エンボス加工などの特殊印刷を得意とされています。印刷工程をご説明いただき、お土産にもいただいた「真珠の耳飾りの少女」のポスターは、見る角度によって複雑に光沢が変化する非常に美しいもの。絵の再現に留まらず、アートの表現力を高める印刷の力を目の当たりにしました。
次の訪問地である『株式会社ウキマ』様では、折りと製本の技術を見学しました。カチャンカチャンと心地良い音を響かせて、紙の束から本が形成されていく工程を見られるのは、まさに工場見学の醍醐味です。また、凸型の針「アイレット」をシールで貼り付けることで本に穴を開けずにファイリングする「halt+」など、社長が中心となって自社商品を生み出している様子に、消耗品としてではない紙製品の魅力、そして、ものづくりの可能性を感じました。
最後にパウダーレスインキ「キレイナ」を開発・販売している『株式会社T&K TOKA』様を訪れ、印刷用インキの製造工程を見学させていただきました。普段当たり前のように使用されているインキですが、より高度な印刷や環境への配慮など、日進月歩で進化しているとのこと。現在の製品に慢心せず、チャレンジを続けるその姿勢には頭が下がる思いです。
すっかり日も暮れて、小雨が降り始めたころにバスは解散場所の池袋に到着。
移動の車内ではクイズ大会などのレクリエーションもあり、他社印青連メンバーの方々との「交流」を楽しめる工夫がありました。
改めてこのイベントが「工場見学」ではなく、「移動サロン」と名付けられた理由が分かった気がしました。
見学させていただいた企業様、印青連の皆さま、このような貴重な機会をいただき、どうもありがとうございました!