内田絵梨
年賀状の冒頭に書く「賀詞」は、新年のお祝いの言葉です。
様々な種類があり、意味もそれぞれ異なるので、送る相手にあったものを選びましょう。
目上の方へ送る場合
4文字の賀詞や、相手に敬意を表す「謹んで~申し上げます」の形の賀詞を使うようにしましょう。
なぜ4文字かを考えるときに漢文の知識が役立ちます。
「謹賀新年」は分解して考えると「謹=かしこまる」「賀=喜び祝う」「新年=新しい年」。
つまり、「かしこまって新しい年を喜び祝います」という意味です。
謹賀新年 (意味:謹んで新年をお祝い申し上げます)
恭賀新年 (意味:うやうやしく新年をお祝い申し上げます)
謹賀新春 (意味:謹んで初春をお祝い申し上げます)
恭賀新春 (意味:うやうやしく初春お祝い申し上げます)
敬頌新禧 (意味:うやうやしく新年の喜びをおたたえ申し上げます)
謹んで新春のご祝詞を申し上げます
謹んで初春のお慶びを申し上げます
目下の方や友人へ送る場合
1文字の賀詞や2文字の賀詞が使われることが多いです。
寿 (意味:おめでたいこと、祝い)
福 (意味:幸せ)
賀 (意味:祝い)
春 (意味:新年)
禧 (意味:よろこび)
賀正 (意味:正月を祝う)
賀春 (意味:新年を祝う)
頌春 (意味:新年をたたえる)
迎春 (意味:新年を迎える)
慶春 (意味:新年をよろこぶ)
寿春 (意味:新年を祝う)
初春 (意味:新年、都市の初め)
どなたにでも使える表現
あけましておめでとうございます
謹んで新年をお祝いします
新年おめでとうございます
新年の御祝詞を申し上げます
新春のお慶びを申し上げます
謹んで初春のお慶びを申し上げます
謹んで新春のご祝詞を申し上げます
日付けについて
「○○年 正月」というような日付けを年賀状に書き添えますが、その意味に要注意です。
元旦 (意味:元日の朝、1月1日の午前中)
元日 (意味:1月1日)
正月 (意味:主に三が日、もしくは1月7日頃迄。また松の内とする場合もある)
元旦の「旦」の字は地平線から日が昇っているところと覚えれば、明け方のイメージがつきやすいかと思います。
1月1日午前中に年賀状が届く自信がなければと「元旦」を、1月1日以降に年賀状が届く場合は「○○年 正月」と書くようにしましょう。
※現在では「元旦」に「元日(1月1日)」の意味合いを含めることもありますので、さほど神経質になる必要はないかと思います。