植村明美
2024年7月3日、一万円、五千円、千円の3券種が新しくなりました。
新しいお札は、150年以上にわたり培った偽造防止技術を結晶した最新の技術で作られていて、新紙幣の発行は20年ぶりとのことです。
新紙幣のサイズは1万円券が縦76mm × 横160mm、5千円券が縦76mm × 横156mm、千円券が縦76mm × 横150mmで現在発行されている一万円札、五千円札、千円札とそれぞれ同じ大きさです。
1万円札の表面には500もの会社や学校の設立に関わったとされる明治の経済人澁澤栄一の肖像画、裏面は東京の玄関口赤レンガ駅舎でおなじみの東京駅が描かれており、
5千円札には女性で初めて海外留学を果たし、女性の地位向上と女子教育に尽力した教育家、津田梅子が表に、裏面には日本で古くから親しまれている花、藤が描かれています。
千円札の表面は細菌学者で、「近代日本医学の父」と呼ばれている北里柴三郎の肖像画、裏面には江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の代表作で世界の芸術家に影響を与えた「富嶽三十六景(神奈川沖浪裏)」が描かれています。
それぞれの肖像画は国立印刷局の工芸官と言われる役職の人達により描かれていて、澁澤栄一の肖像画は70歳の古希の祝いの時に撮られた写真を元に60代にリメイクして、津田梅子は津田塾大学を開校した30代の複数の写真を参考に、北里柴三郎は50代の頃の写真を元に描かれたそうです。
各紙幣に施されている精密な幾何学模様もこの工芸官により描かれているということです。
また、この3人の肖像画に選定された理由としては
渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎はそれぞれの分野で傑出した業績を残すとともに、長い時を経た現在でも私たちが課題としている新たな産業の育成、女性活躍、科学の発展といった面からも日本の近代化をリードし、大きく貢献したということ。
三者ともに、日々の生活に欠かせず、私たちが毎日のように手に取り、目にする紙幣の肖像としてふさわしいと考えられることが理由とされています。
なお、近年の改刷においては、 (1) 偽造防止の観点から、なるべく精密な写真を入手できること、
(2) 肖像彫刻の観点からみて、品格のある紙幣にふさわしい肖像であること (3) 肖像の人物が国民各層に広く知られており、その業績が広く認められていること
といった観点を踏まえて、明治以降の人物から採用しているということです。
さて、その偽造などを避ける為の印刷方法ですが、今回の新紙幣では最新の技術が取りいれられました。
新しいお札は、150年以上にわたり培った偽造防止技術を結晶した最新の技術で作られていて、特に話題となっているのが3Dホログラムです。
これは左下の小さな円内に描かれたホログラムの肖像画が見る角度によって回転していくもので、この技術は銀行券としては世界で初めて採用されています。
また、主なデザイン部分は凹版印刷で印刷されていて盛り上がっており、額面の数字部分や識別マーク部分は深凹版印刷により特に盛り上がりができるよう印刷されていて、目が不自由な人でも識別できるようにざらつきを作っています。
「透かし」と呼ばれるすきいれは白すかしと黒すかしという紙の厚みの差で濃淡を表現しており、表面の肖像画と同じ人物の肖像画の透かしが入っています。
また、券種により額面を識別する本数の棒状の透かしも入っています。
その他潜像模様と言われる傾けると文字が浮き上がる印刷、パールインキ、化学的変光インキ、特殊発行インキが偽造防止に使われております。
出典:国立印刷局ホームページ
新しい日本銀行券特設サイト
https://www.npb.go.jp/ja/n_banknote/index.html
出典:財務省ウェブサイト
https://www.mof.go.jp/faq/currency/07ap.htm
さいごに
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