植村明美
昔流行った唄で「街の灯り」というのがありました。街の灯りは街を使いますが、まちには町と街がありますよね。
以前からこの漢字の使い分けがよくわからないままでおりました。
他にも題名に「まち」がついている歌は多く
街角トワイライト 恋人も濡れる街角 スノーフレークの街角 雪が降る街 裏切りの街角 街のサンドイッチマン
あの町この町 裏町人生 おんな港町 わたしの城下町 港町ブルース 雪の降る町を
上に挙げた歌の題名を見ると、どうやら街角は街を、港町は町を使うようです。でも使い分けはこれだけではよく分からないです。
町と街どのように使い分けていけばよいのか調べてみました。
町の使い方
町には色々な意味や定義があります。
●地方自治法による普通地方公共団体の一種
●人々が住む家などが多く集まっているところ、またその区域
●多くの人や家が密集している地域。都会。英語で言えばtown、またはcity
用例としては
町中で暮らす
町はずれ
隣町
町おこし
街の使い方
対して街は商店やビルなどが立ち並ぶ賑やかな道筋のことを言うようです。英語にするとstreetが近いです。
用例としては
街で買物をする
街かどで出会う
学生の街
街の灯
ですが、この用例で使った街は「町かど」や「学生の町」のように、町の字をあてても良いとされていますが、町の字の用例にあった「町おこし」や「隣町」を街には替えられません。
他の場所と区画が区切られていて堺がはっきりしているのが町、はっきりしていないのは街ともいえます。
町は街の代わりに使えますが街は町に代われない為、どちらか使いかたに迷った場合は町を使っておけば間違い無いです。
では村と邑はどう使い分けるのでしょう。
村はどう使う?
村とは
●人の集まり住んでいる所。村落。
●地方公共団体の一。そん。
●農業・漁業など地域と結びついた生産活動に従事する人々が住む地域。町に対していう。
●ある目的のために、大勢の人が集まっている場所。
用例
選手村 国民休暇村
邑の使い方
邑は
●周囲を壁、城壁、濠でかこまれた聚落のこと。
●古代文明圏における都市国家
●定住生活が始まり農業生産力が徐々に高まっていくなかで、人々が集まって生活するところ、集落を村といった むら。いなか。
●群と同源。
なるほど、人が群れて邑となったわけですね
村は町に対して使われる集落の名称に対し、邑は集落を指すことばで山の中であっても栄えている場所、「町」であっても使われていたようです。
あなたが今いる場所は町? それとも街? 村?
出展:三省堂/大辞林、小学館/デジタル大辞典