内田絵梨
(2020年11月5日・加筆修正)
年末から今に至るまで、お歳暮やお土産、義理チョコなど、おやつに事欠かない幸せな日々が続いております。
そんな私は、暮れにもらったゼリーを会社の冷蔵庫のチルド室に入れてしまいました。食べてみるとちょっとシャリシャリしてる……。
皆さんは冷蔵庫の温度について、どれだけ知っていますか?
チルドとは
お恥ずかしながら私はそもそもチルドルームが何たるかを知らなかったのです。
「マイルドな冷蔵室かな?」くらいの感覚でした。なんだか冷蔵室にはない蓋? 覆い? があったりするし。
ところがどっこい、チルドルームは冷蔵室より温度が低めに設定されているのです。
チルドは英語のchilled。「冷やす」を意味する英語の動詞「chill」の過去分詞です。そして、日本の冷蔵庫において、チルドは凍結寸前の温度まで冷却して保存することを指します。お肉や魚介類などの傷みやすい生鮮食料品の保存に向いているんですね。
英語ではチルドルームのことはmeat keeperと呼ぶんだとか。ずばり、お肉を保存するための部屋というわけです。
冷蔵庫の温度
冷蔵庫には色々な部屋があります。それぞれの温度はどれくらいなのでしょうか?
主要なメーカーで温度を公開している会社をピックアップしてみました。
【日立(R-X7300F)と東芝(GR-H43G)、シャープ(公式HPより)、パナソニック(NR-F618XG)を参照】
冷蔵室
日立 約2~6℃
東芝 約2~5℃
シャープ 約2~5℃
パナソニック 約3~6℃
チルドルーム
日立 約-1~1℃
東芝 約0~3℃
シャープ 約0~2℃
パナソニック 約0~2℃
野菜室
日立 約3~7℃
東芝 約4~7℃
シャープ 約3~8℃
パナソニック 約3~8℃
冷凍室
日立 約-20~-18℃
パナソニック 約-20~-18℃
上段冷凍室
東芝 約-18~-16℃
シャープ 約-19~-17℃
下段冷凍室
東芝 約-20~-18℃
シャープ 約-20~-18℃
冷蔵室の温度
食品衛生法では食用鮮魚介類は10℃以下、生食用食肉は4℃以下という保存方法の基準が定められています。
どちらも冷蔵室で保存するものなので、冷蔵室の温度の指標となりえるでしょう。
また、2015年に日本工業規格(JIS規格)で決められた、冷蔵室の消費電力量算出のための目標温度は、室温が32℃および16℃の状態で4℃となっています。
メーカーの比較表を見てみると、大体2~5℃程度で設定されることが多いようですね。
冷凍室の温度
冷凍室で保存する冷凍食品の保存温度は食品衛生法では-15℃以下。
冷凍食品業界が自主的に定めている取扱基準は-18℃以下となっています。
また、冷蔵室と同じく、2015年に日本工業規格(JIS規格)で決められた、冷蔵室の消費電力量算出のための目標温度は、一般的に採用されている冷凍室の性能(フォースター)で-18℃となっています。
菌の多くは10℃以下で増殖が遅くなり、-15℃以下で増殖がほぼ停止すると言われているため、それを加味しての設定となっているのかもしれませんね。
チルドルームの温度
メーカーの比較表を見ると、チルドルームの温度の平均は0~2℃程度。
水が凍るのが0℃なので、それを基準にして考えられているのでしょう。
あまり水分の多い食材を入れると凍る可能性がありますね。
野菜室の温度
冷蔵庫の中で一番温度が高いのは野菜室。平均は3~7℃です。
また、どのメーカーも野菜が乾燥しないように、湿度を高く保つ工夫をしています。
低温障害を起こさない程度に温度が低く、高湿度の野菜室は、野菜をそのまま入れても鮮度が落ちにくいという訳なのですね。
おまけ
冷蔵庫の温度設定といえば節約。経費は少しでも抑えたいものです。
当社は決済代行サービスを提供しています。
ご興味のある方はぜひ、決済代行サービスのサイトもご覧ください。
参考:日立 / 東芝 / シャープ / パナソニック / VISUAL DICTIONARY / 食と暮らしをかんがえる こおらす