TOP / 言葉 2019.08.01

祭りだ祭りだ! 神輿が振られるわけ

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御神輿

梅雨が明け、本格的な夏到来。日中はべたつく湿度と、汗が吹き出すほどの暑さと、じりじりと肌を焼く日差しにまいってしまいますよね。
毎年のこととはいえ、「こんなに暑かったっけ?」と自問してしまいます。
そんな暑さを吹き飛ばす勢いで行われる祭り!
今回は神輿(みこし)についてお話しします。

神輿とは

神輿とは、読んで字の如く、神様の輿(こし)です。
輿は古くからある乗り物の一つで、何人かで担いで運ぶ乗り物です。
今でも嫁入りすることを「輿入れ」といったり、女性が裕福な男性と結婚することを「玉の輿」と言ったりしますよね。
これは昔、婚礼に際し、新婦の乗った輿を新朗の家に担ぎ入れたことからきています。
特に貴人の乗る美しく立派な輿を「玉の輿」と呼んだため、今でもその言葉が残っているというわけです。

神輿は、神様の輿というくらいなので乗っているのはもちろん神様です。神社から出発して町中を練り歩き、神社に戻るのが習わしです。
お祭りでお神輿に乗った神様は、氏子の幸いを祈り、地域の災厄や穢れを取り除いて清めます。非常にありがたいおでましなのです。

2種類の祭り方

神輿を使うお祭りは大きく分けて2種類あります。「王朝型神幸祭」と「日吉型渡御祭」です。

王朝型神幸祭は天皇の行幸を模したもの。尊い人を運ぶように静々と行われるため、静のお祭りと言えるかもしれません。日本三大勅裁である京都の石清水祭や、東京の稗田神社で行われる神幸祭がこれにあたります。
実際に目の当たりにするとまさに「雅」といった風です。

一方の日吉型渡御祭は激しく神輿を振り立てて魂振り(たまふり)を行う祭――いわゆる暴れ神輿です。
「神様が乗っているのに、あんなに激しく運んで大丈夫かしら」という疑問もあるかと思いますが、あの揺れこそが大事なのです。
先ほど、日吉型渡御祭は魂振りを行う祭と述べましたが、魂振りとは「活力を失った魂を再生すること」です。外から揺すって働きかけることで、御魂(みたま)に活力を与えます。神輿を激しく振り動かすことによって神の霊威を高め、その御神徳を余すことなく行き渡らせているのです。
そういえば、神社では鈴を鳴らしてお祈りをしますよね。「揺れ」は日本の神道にとって重要な役割を持っているといえるでしょう。

最も一般的なひら担ぎ

「いやいや、うちの氏神神社はそんなに静々と歩かないし、神輿も激しく振り動かさないよ」という方も多いでしょう。
「わっしょいわっしょい」と掛け声は威勢よくかけても、お神輿自体はあまり揺らさない担ぎ方を「ひら担ぎ」と言います。全国的にはこの担ぎ方が最も多いと言われています。
祭りはその地域ごとに特色持ち、伝統を受け継いでいるものなので、自分の地域のお祭りがどのようなものなのか体験し、調べてみると新しい発見があるかもしれません。

参考:デジタル大辞泉 / 神輿大全(誠文堂新光社) / 神社入門(洋泉社) / なるほど!民俗学(PHP)  / ギフトマナー辞典

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