内田絵梨
一人一人が日々の生活を気を付けなくてはならない今だからこそ、人と会わずに連絡が取れるメールや手紙を見直す機会なのかもしれません。
漢字が一文字違うだけでその意味が狭まったり、広まったり。
今回のお話はお見舞い状などに使われる「かいふく」についてです。
回復とは
私たちが日ごろ生活をしていてよく目にするのは「回復」の漢字です。
景気や、病気、名誉など様々なものに使います。
辞書にはこのように記載されています。
かい‐ふく〔クワイ‐〕【回復/×恢復】
[名](スル)
1 悪い状態になったものが、もとの状態に戻ること。また、もとの状態に戻すこと。「健康が―する」「ダイヤの乱れが―する」「疲労―」
2 一度失ったものを取り返すこと。「名誉を―する」「信用―」
デジタル大辞泉より
「悪い状態になったもの、失ったものを元に戻す」という良い意味ですね。
今後のニュースで多く耳にしていきたい言葉でもあります。
意外なのは、「天網恢恢疎そにして漏もらさず」でおなじみの「恢」の字を使った「恢復」も「回復」と同じ意味で使われること。
実は「恢」には「ひろい、おおきい」という意味の他にも、「かえる、もどる」という意味を持っているため「回復」の書き換えとしても使えるのです。
快復とは
一方、「快復」はどうでしょうか。
かい‐ふく〔クワイ‐〕【快復】
[名](スル)病気がなおること。「傷が快復する」「快復期」
デジタル大辞泉より
ずばり、「快復」は病気や怪我に関してのみ使われる言葉です。
快気祝いや快癒などに代表されるように「快」にはそれ一文字で「病気が治る」という意味を持っています。
そして、その「病気が治る」という程度は、快気や快癒という言葉からもわかるように「すっかり治る、完治する」というニュアンスが含まれています。
これらのことからお見舞い状に「ごかいふくをお祈り申し上げます」という文章を入れたい場合は「快復」の方が望ましいでしょう。
逆に、「少しずつかいふくに向かっている」という現状を表す場合は、全快状態ではないため「回復」を使う方が無難です。
迷ったら「回復」。お祈りやお喜びは「快復」というように覚えると良いかもしれません。
おまけ
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