内田絵梨
改まった手紙を書く際には、頭語や結語、時候の挨拶、結びの挨拶といった基本の形式を気にしなくてはなりません。
しかしながら、いざ気合を入れて手紙を書こうにも何を書いたらよいかなかなか筆が進まないこともあるのではないでしょうか。
時候の挨拶は調べればたくさん出てきますが、それに続く相手の安否を尋ねる文章が思い浮かばない。どうせなら時事に絡めた一言を入れたい。
今回はコロナ禍における、手紙の書き出し・結びの書き方を調べてまとめてみました。
参考になれば幸いです。
ビジネスで使える文頭表現
新型コロナウイルスの感染拡大は収束の兆しが未だに見えず、影響を受けている企業は少なくありません。
ここで紹介するのは「〇〇の候、」といった漢語調の時候の挨拶に続いて書けるクライアントへの気遣いの文頭表現です。
・貴社におかれましても未曾有の災禍の中、大変なご苦労をされておられることと案じております。
・貴社におかれましては未曾有の災禍の中、ご苦労はいかほどかと拝察致します。
・貴社におかれましてはコロナ禍にあってもますますご清栄のことと、お慶び申し上げます。
・貴社におかれましては未曾有の災禍とはいえ、一致団結してこの難局に立ち向かわれていることと存じます。
・新型コロナウィルスによる影響で大変な状況ではございますが、○○様はじめご一同様はお変わりなくお過ごしでしょうか。
ビジネスで使える文末表現
文末には相手を気遣い、相手に寄り添う一言を。
こちらを丁寧に心を込めて書くことにより、より印象の良い手紙になります。
・先を見通しづらい状況ではありますが、ご自愛のほど心よりお祈りしております。
・このような状況の中ではありますが、貴社の皆さまのご健康と、益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。私共で何かお役に立てることがございましたら、遠慮なくお申しつけ下さい。
・この状況が一日でも早く終息へ向かいますことと、皆様のご健康をお祈り申し上げます。
・何かと不便の多い今日ですが、この状況が一日も早く解消され、平穏な日々が取り戻せるよう心から願っております。
カジュアルな文頭表現
親しい方へのお手紙には親しみやすいカジュアルな表現を用います。
時候の挨拶も漢語調ではなく口語調に。
8月も半ばを過ぎた今だと「立秋とは名ばかりの猛暑が続いております」といった文章が好まれます。
ここで紹介するのはそんな口語調の時候の挨拶に続いて書けるクライアントへの気遣いの文頭表現です。
・長かった梅雨がやっと明けたら途端に猛烈な暑さとなり、コロナ対策のマスクや換気もしなくてはならず、今年の夏は例年以上に暑さが身にしみます。
・お変わりありませんか。そろそろ元気を持て余している頃かと思いお便りしました。
カジュアルな文末表現
最後の一言にも心遣いを。
カジュアルな表現だからこそストレートに自分の気持ちを伝えることができます。
自分の言葉で相手を気遣う一言を添えてみてください。
・気疲れが溜まらないようご自愛ください。
・お互い元気に乗り越えましょう。
・熱中症はもちろんコロナの感染対策をしっかりとなさってくれぐれもご自愛ください。
・コロナと共存する生活様式は不便さも多々ありますが、お互い気をつけましょう。
・この事態が収束して、お目にかかれる日を楽しみにしております。
・次回元気なお姿でお会いできるのを楽しみにしております。
いかがでしたか。
もちろん手紙の表現はもっとたくさんあります。
一番重要なのは相手を気遣う気持ちで、それが届けば形式なんて関係ありません。
この記事が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
参考:
オフィスのミカタ お役立ちコンテンツ「ビジネスメール・手紙の挨拶文例」 コロナ禍における文頭・文末の挨拶表現 ー6月の挨拶ー / Shaddy.jp お中元・暑中見舞い マナー・豆知識 / 便利・わかりやすい冠婚葬祭マナー&ビジネス知識 /
時候の挨拶/季節の挨拶/手紙の書き出し/結び(コロナ時/8月)