内田絵梨
知っているようで知らない、紛らわしい言葉の使い分け。
今回は「改定」と「改訂」と「改正」です。
これら3つは言葉の意味は似ているものの、使い方には明確な違いがあります。
順番に見ていきましょう。
改定
改定は「法律や制度など、以前のものを改めて新しく定めること」です。
改定の「定」は「定める」ことなので、既存のものに変更を加えて新たにルールを決める、という意味合いです。
改訂
改訂は細かく分けて2つの意味を持っています。
一つは「書類の内容を改め正すこと」。
もう一つは「法律や取り決めなどの一部を改めて正当な形に正すこと」です。
改訂の「訂」は訂正の「訂」なので、文章や文字の誤りを直す、という意味が言葉の核です。
教科書や参考書なんかは、時代の流れに沿ったり、よりふさわしい内容に刷新したときに「改訂版」を発行しますよね。
改正
改正は「不適当なところや、不備な点を改めること」です。
改正の「正」は「正す」ことなので、間違っていることや十分でないところを正すことを指します。
それぞれの使い分け
「改定」と「改訂」は全く同じ音ですが、使われるシチュエーションが異なります。
「改定」は既存の決まりごとを改めて定めること。「改訂」は文章の誤りを正すことです。
「改訂」には「法律や取り決めなどの一部を改めて正当な形に正すこと」という意味もありますが、「一部」というのがミソで、法律用語としての改訂が使われるのは、「改定」された法令文に沿うように文章を改めて、新しく法令集を出版するとき等です。
「改訂」はあくまで文章の訂正に留まるのですね。
「改訂」と「改正」は間違いを正すという意味は同じですが、「改訂」が文章の訂正に限定されるのと違って、「改正」は法律や制度そのものを正すことにも使えます。
憲法改正など、熟語として使われますよね。
「改正」と「改定」の違いは、「間違いや良くない部分を正す」のか、単に「変更する」のかの違いです。
比べてみると、使い分けがよりよく理解できますね。
おまけ
当社はテルトルというコールセンターも運用しており、24時間365日対応しています。
この記事のように正しい言葉の使い方を意識し、日々受電を行っています。
ご興味のある方はぜひ、テルトルのサイトもご覧ください。
参考:デジタル大辞泉 / 社会人の教科書(「改定」「改訂」「改正」の意味の違い) / TRANS.bis(「改訂」の意味は?類語「改定」との違いを解説!使い方の例文も) / 違いがわかる辞典(改定と改訂)の違い