TOP / 言葉 2021.01.12

開催と実施

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再び緊急事態宣言が出ました。東京オリンピックは本当に開催できるのでしょうか・・・。

そんなおり、キャンペーンの告知をする準備をしているときに、急に迷ってしまいました。

キャンペーンを実施中! なのか

キャンペーン開催中! なのか・・・・。

どちらも正しいと思っていましたが、どちらかは正しくないかもしれません。

昨今の情勢により、イベントなどもする、しないで話し合う場面がありましたが、これも「開催」なのか「実施」なのか、迷ってしまいました。

その使い方の違いが明確にあるのならば、知っておいて損はないはず。ということで早速調べてみました。

開催と実施

開催も実施もどちらも「行われる」ということを言い換えて使う場合に用いられます。

ただし、同じ「行われる」でも、少し意味合いが違います。

「実施」は「行われる」に置き換えられると一般的に言われているようですが、行うが全て実施かというとそうではなく、「実施」に置き換えて使えるものと「開催」にした方が良いものがあるようなので、確認していきましょう。

開催

集会、イベント、会合など催しものを開き、行うこと。

イベントごとでも謝恩会、同窓会、祝賀会、など、「~会」とつくものは、だいたい開催を使います。

コンサートなどを含め、内容が一律でないものには開催を用いたほうがしっくりきます。

祭も開かれるので、開催です。

例文

・かつてはこの町のホールでも人気アーティストのコンサートが開催されたことがある。

・優勝祝賀会が開催され、選手たちの笑顔を見ることができた。

・同窓会の開催に合わせ、ダイエットをする計画だ。

実施

実施は規則や法律、計画などを実際に行うこと。施行すること。

イベントごとでも卒業式、入学式、任命式のように~式と式がついた名前で、一定の決まり事などにのっとって行われるものは実施のほうが違和感なく使えますが、開催とどちらも使えるものもあります。

例文

・今年の大学入学試験も予定通り実施された。

・増税が来年の〇月より実施される。

・厳かな雰囲気の中、本校の第35回目の卒業式が実施された。

イベントは「開催する」がしっくりきますが、物事を行った、ということであれば実施を用いるので、「イベントを実施する」でも違和感がなく使えます。

結論

会などの催しで、「開く」でしっくりくる場合は「開催」、準備をしていた事がらで実行し、「行う」ものは「実施」。

ただし「イベントを実施する」「イベントを開催する」のように、どちらも使える場合もあるようです。

 

出展
岩波新国語辞典第8版
学研新国語辞典

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