熊谷真訓
グッドクロスの社内報「BATTEN」には四字熟語の世界というコーナーがあります。
自分の好きな四字熟語や新しく知った四字熟語などを持ち回りで紹介するのですが、今回はWEB版も用意しましたのでお楽しみください。
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父継三冠(ふけいさんかん)と読みます。
この四字熟語は、住友生命が毎年今年の世相を漢字4文字で振り返る「創作四字熟語」で優秀作品に選ばれたものです。
私がこの作品を目にした時、「ウマい!(馬だけに!?)」と膝を叩きそうになりました(笑)
競馬が好きな人なら周知の事実ですが、2020年、コントレイルという馬が父の偉業を継ぎ、15年ぶり史上3頭目の無敗の三冠馬となりました。
三冠馬とは、3歳馬のクラシックレースである皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞の三冠レースをすべて制した馬を指します。
コントレイルの父はディープインパクト。
この馬も無敗の三冠馬です。
父子での無敗の三冠は史上初となります。
またそれに先駆けて、2012年には同じく父にディープインパクトをもつ牝馬のジェンティルドンナが牝馬三冠を達成しています。
競馬はブラッドスポーツと呼ばれています。
これは血統が競走成績(レース結果)に大きく影響することが理由として挙げられます。
血統において初めに見るべきはその馬の父馬。
なぜなら父親の能力を引き継ぐことがとても多く、子供の能力に最も影響を与えるといわれているからです。
例えば、長距離で優秀な成績だった父親をもつと子供も同じく長距離で活躍することが多くなります。
これは距離適性の能力が引き継がれたことになります。
産駒の特徴の前に、現役時代のディープインパクトの競走成績や特徴を紹介したいと思います。
通算成績は14戦12勝(国内13戦12勝)でGⅠ7勝。
負けたのは、国内と海外のGⅠで1回ずつ。
国内は3歳の有馬記念でハーツクライの2着。
海外はフランスのパリロンシャン競馬場で行われた凱旋門賞で3着入線、その後失格(禁止薬物検出のため)。
勝利した距離は新馬戦の2000m〜天皇賞(春)の3200mまで。
中長距離を得意とし、スピードに優れ、圧倒的な瞬発力と末脚の持続力が強みでした。
スタートは遅く、出走したほぼ全てのレースを後方待機からの強烈な追い込み、または道中は中団から後方につけ、3〜4コーナーあたりから一気にマクリ(前方の馬をコースの外側を通って交わしていくこと)、他馬をごぼう抜きして勝利するスタイルでした。
では、ディープインパクト産駒はどういった特徴があるのか個人的な意見として書いておきます。
■距離は1600m〜2000mがもっとも得意な距離。
■日本の高速馬場に適したスピードと瞬発力に優れた産駒が多い。
■重馬場も得意ではないが器用にこなす。
■気性が良く素直で乗りやすそう。
■3歳のクラシック戦線では活躍する馬が多いが、4歳以降は成績が伸びず総じて早熟傾向。
■競馬場はローカル開催よりは断然、中央開催の方が活躍している傾向があります。ただし、最後の直線が短く急坂がある中山や阪神はあまり得意ではなさそう。
■自分から動いてレースを作る(いわゆる勝ちに行く)競馬をするよりも、あくまで自分のレースに徹する方がいいタイプが多い。ただし、脚質はその馬の性格(気性)や能力の要素が大きいため、血統からくるものよりもその後の調教によって決まることが多い。
さて、「父継三冠」のコントレイル。
2021年内で引退が予定されているようです。
三冠以降のレースでは、2.3着と勝ち切ることができていません。
無敗の三冠馬としては少々物足りないものがあります。
このままでは史上最強馬とか現役最強馬とかのレベルではなく、単なる世代最強馬で終わってしまう可能性が大いにあります。
何とか年内にG1タイトルを1つでも2つでも積み上げて偉大なる父に近づいて欲しいものです。
また、引退により競馬ファンとしては走る姿が見られなくなるのはとても残念ですが、競馬界の財産でもありますし致し方ないといったところでしょうか。
父のディープインパクトは2019年に亡くなっているので、この馬が後継馬として産駒を継ぐことが期待されます。
近い将来、祖父、父、子の三世代で無敗の三冠馬誕生に夢を馳せましょう!
この記事を書いた人
熊谷真訓(経営企画室 室長)
グッドクロスのお洒落&スイーツ番長。
「昔、趣味で競馬を嗜んでいました(笑)」