植村明美
ウクライナのゼレンスキー大統領の国会演説が今日3月23日18時より行われる予定ですが、
今回のウクライナ情勢のニュースを聞いている時に、「傀儡政権」という言葉を何度も耳にするようになりました。
「傀儡」。
字面からして「魑魅魍魎」に次ぐおどろおどろしさがあります。
何となく意味がわかっているようではっきりしなかったので確認したいという、個人的な動機で調べてみました。
傀儡の「傀」「儡」とは
傀には、目立って大きい、怪しい、もののけ、またこの文字一文字で「くぐつ」操り人形の意味があります。
一方の儡にも、くぐつ。でく。あやつり人形。という意味があります。
傀儡政権とは
傀儡というのはでくのぼう、あやつり人形のことを指します。
あやつり人形という意味の言葉が重なってできた言葉であります。
傀儡政権というのは、操られている政権や国家。
つまり「傀儡政権」とは、一応独立し一つの国として形は成しているけれど、実際は他国の別政権の意思で支配されている国、事実上の支配者は他国である政権のことを指します。
傀儡子とは
この傀儡というのは、あやつり人形のことでありますが、日本には傀儡子とも呼ばれる、人形芝居を見せるなどして諸国を旅した芸能一座が存在しました。
9世紀頃から存在していたと思われますが、平安時代には寺社の宣伝要員のような役割ももち、密接な関係があり、貴族や朝廷にも庇護されています。
元々は男性は狩猟をしていましたがその後操り人形の人形劇を行い、女性は劇に合わせた詩を唄うようになりました。
男性は奇術や剣舞、滑稽劇なども見せるようになり、女性は呪術やお祓いをすることもあり、歌などの芸の披露とともに客と一夜をともにし生業としていたといわれています。
傀儡の女性は傀儡女とよばれ、大変な歌の名手もおり、非常に歌好きであった後白河法皇は彼女達から歌を習っていたようです。
殆どの者が定住をせず、身分は低いけれど気ままに暮らす自由な存在でもあったようです。
出典:goo辞書
「傀儡子記」大江匡房 国立国会図書館協同データベースより