内田絵梨
秋は実りの季節。
りんご狩りやきのこ狩り、ぶどう狩りに梨狩りと収穫体験を楽しまれる方も多いのではないでしょうか。
さて、秋にする狩りといえば「紅葉狩り」がありますが、紅葉を目で楽しむだけなのになぜ「狩り」と言うのでしょうか?
紅葉狩りの由来を調べてみました。
紅葉狩りの歴史
「紅葉狩り」とは野山に出かけて紅葉を鑑賞する行楽のことです。
現存する最古の歌集である万葉集にも「紅葉」という言葉が出てくることから、少なくとも1200年前には貴族の間で紅葉狩りが行われていたことが分かっています。
なお、万葉集の歌に詠まれる「もみじ」は100首以上あるものの、ほとんどが「黄葉」と書かれていています。
この頃は「黄葉」と書いて「もみち」や「もみちば」と読んだようです。
紅葉狩りに「狩り」が使われる由来
紅葉狩りの「狩り」は観賞することを指します。
平安中期に書かれた「宇津保物語」では、桜の花見を「桜狩り」と表現しており、「狩り」が鑑賞であるという認識はその頃から既に広まっていたことが分かります。
それではなぜ鑑賞することを狩りと呼んだのでしょうか。
一説には、平安貴族が外出時に歩くことは下品であると考えられていたためだと言われています。
貴族が移動の際に使うのは主に牛車や馬。
移動で歩くのは下々の民がすることで貴族のすることではありません。
しかしながら、紅葉を鑑賞しようとするとどうしても牛車などでは進めない山道を歩く必要があります。
そのため「狩り」という名目で紅葉の鑑賞を楽しんでいたとされています。
また、山へ出かけた際には、紅葉の枝を折り手に取って鑑賞していたため、という説もあります。
確かに手折った枝を持ち帰る様は「狩り」と言えそうです。
いかがでしたか。
秋が深くなり紅葉が見ごろを迎える地域もあるかと思います。
雅な平安に思いを馳せながら紅葉狩りに出かけてみてはいかがでしょうか。
おまけ
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参考:たのしい万葉集: 黄葉(もみち)を詠んだ歌 / 紅葉を観賞することをなぜ「紅葉狩り」というのか?(ウェザーニュース)