田中 里奈
皆様お待ちかね(に違いないっ)ビール特集第2弾でゴンス。前回はビールの種類とその種類に応じた様々な銘柄のビールをご紹介しました。
今回もビールマニアである日本ハイコム株式会社の平谷さんにご協力いただき、ビールにまつわる疑問アレコレ特集をお届けします。平谷さんオススメのお店「デリリウムカフェ レゼルブ(赤坂)」「アイヒェンプラッツ(赤坂)」で実際にオススメのビールをいただきながら、スタッフの方々にも詳しいお話を伺いました! 皆さん優しくて鼻水が止まらない。塩味。
? クラフトビールの定義
田中「最近ますますクラフトビールという言葉を耳にするようになりました。クラフトビールの定義とは一体なんでしょう?」
平谷「クラフトビールという言葉自体はアメリカが発祥です。アメリカにおけるクラフトビールの定義はブルワーズ・アソシエーションが提示している『CRAFT BREWER DEFINED』が分かりやすいです。『Small(小規模)』『Independent(独立している)』『Traditional(伝統的)』の3つを満たしている事が大事です」
田中「そうなんですね、なるほど」
平谷「実は日本では厳密に決まってないんです。言うなれば『品質と味にこだわった少量生産の小さな醸造所で作られたビール』という感じですかね」
田中「となると地ビールもクラフトビールですか?」
平谷「そうですね、概ね一緒と考えていいでしょう。因みに、ビール本場のドイツではクラフトビールの定義が異なりますます。ドイツのビールはほとんどが小規模の醸造所で作られるので地ビールです。ドイツでクラフトビールとは、今までになかった新しい種類のビールのことを指します」
田中「クラフトビールが盛んに作られている国というのもあるのでしょうか」
平谷「アメリカ、ベルギー、イタリア、オランダ、デンマーク、チェコ、あたりが多いかなと思います。日本も最近盛んですよね。ドイツでは定義が異なりますが、やはり盛んです」
? 注ぎ方で味が変わる? 美味しいビールの注ぎ方
平谷「ドイツではビールグラスの上から1~2センチのところにラインと数字のマークがついています。泡の下がラインのところにないと法律違反になるんです。ビール王国らしいですよね」
田中「なんと(゜o゜;) 厳しい。日本のお店で泡の多いビールを出されてガッカリすることがあります><」
平谷「注ぎ方で味が変わるかどうかというと、ずばり変わります! 美味しい注ぎ方をサントリープレミアムモルツの工場で教わったことがあるのでご紹介します。どのビールでも基本美味しく飲める注ぎ方ですよ」
①冷やしたグラスに勢いよく注ぐ
②泡が落ち着くのを待つ
③泡が落ち着いたらグラスを傾けてフチからそっと注ぐ
田中「泡を立てつつ落ち着くのを待つのがポイントなんですね」
平谷「家でもカンタンにできるでしょう。ぜひ試してみてください」
田中「国とかビールの種類によっても違いがありそう……!」
サントリー公式サイトで詳しい注ぎ方が紹介されています。
プレミアムモルツのおいしい注ぎ方
http://www.suntory.co.jp/beer/premium/taste/howto.html
参考になりそうな動画はこちら!! 制服が黄色でカワイイですね(^o^)
? ビールの適温
田中「日本ではビールをキンキンに冷やすことが多いですが、外国では違いますか?」
平谷「外国でも通常は冷やしますね。ベルギーにアルコール分が高く甘苦いビールがあります。好みにもよりますが、ベルギーではこの甘苦いビールを常温で飲む人がいます」
? ベルギービールの美味しい飲み方
ビールの注ぎ方と適温について話しつつ、デリリウムカフェ レゼルブの店員さんのビールの注ぎ方を観察していると、また少し違うような……?? 店員の石塚さんに聞いてみることにしました。
田中「ベルギービールの美味しい注ぎ方はありますか?」
石塚「ベルギービールはボトルの上、中、下で味が変わります。美味しい酵母が下に溜まっているからです。下を1cm程残して、最後に飲む飲み方が多いです。よろしければ注ぎ分けして比べてみますか? 常温と冷やしたものでも味が違いますよ」
田中「ぜひお願いします!」
素晴らしいですステキです。ひゃっはー
味の違いとしては、上が軽くて酸味あり、下が濃くて香りがありました。真ん中はまさにその中間です。好みの味を探しながら注ぐ量を調整すると楽しいかも。温度の違いとしては、常温だと甘みが強くなり、冷えたものだと苦味が強くなったり、さっぱり感が増す気がしました。
前回飲み比べをした時に酸味を強く感じてしまったギネス エクストラスタウトは冷やし過ぎたのが原因でしたね。
? デリリウムカフェレゼルブさんでいただいたベルギービールとお料理
一軒目のデリリウムカフェレゼルブは、ビールの種類が樽生、瓶ともに本当に多いです。併せて100種類はあると思われます。何回も行かないと飲みきれないですねーー(喜)。330mlサイズだけでなく、ワインボトルと同じ容量の750ml(ブテイユサイズ)も豊富です。1500mlのマグナムサイズもありますよ!
一杯目はかねてから飲みたかったギロチンをいただきました。アルコール度数はビールにしてはかなり高い9%ですが、飲むと左程アルコールの高さを感じませんでした。専用グラスも毒々しい感じでステキです。フランス革命200年のお祝いに作られたお酒だそうです。メニューに「デリリウム・トレメンスに比べ、赤みを帯びた色合いとボディーが血とギロチンを連想させる味わい」とありました。ギロチンを連想させる味わいって……。
ヤゴッチブチョーは、店名となっているデリリウム・トレメンスを。「『アルコール中毒による幻覚症状』という意味のこのビールは、高アルコールながらもついつい飲んでしまって、目の前にピンクの象やドラゴンやワニが現れるという意味です」と説明書きにあります。アルコール分は8.5%! ヒューグ醸造所のお酒は全体的にアルコール度数が高いのでしょうか。キレイな黄金色と泡が印象的です。ピンクの象とグラスの形が可愛くてたまりません。
平谷さんはセント・ベルナルデュス・アブトをチョイス。
平谷「世界で一番美味しいといわれるウェストフレテレン12というビールがあります。その製法を教わって作られたのが、このセントベルナンデスアプトなんです」
少しいただいたところ香りがありつつ濃厚でスパイシーなお味でした。これはさらにアルコール度数高めの10.5%。デリリウムカフェオリジナルグラスがこれまたカワイイ。
赤坂駅と直結しているのでふらりと立ち寄るにもとても良いお店です。個人的にもまた行きたいと思います。
続きの次回、二軒目はドイツビールと料理のお店です!そちらでもかなり詳しいビールの話を伺うことができました。乞うご期待?!