内田絵梨
小中学生 皆 さんは 夏休 み 真 っ 盛 りでしょうか。
羨 ましいかぎりです。
夏休 みといえば、 私 はギリギリまで 宿題 をやらず、 親 に「 何 でこんなになるまで 放 っておいたんだ!やっていると 言 っていたのは 嘘 だったのか!」と、 叱 られながら8 月 31 日 を 過 ごすのが 常 でした。
中 でも 一番面倒臭 かったのが、 読書感想文 と 一言日記 。
今回 は 読書感想文 の 書 き 方 のヒントをご 紹介 します。
読書感想文 がなぜ 苦手 か
そもそも、 私 は 本 を 読 むのは 好 きでしたが、 書 くのはてんでだめでした。
だって、 手 は 疲 れるし、 文字数 が 多 くて 終 わりが 見 えないし。
何 を 書 いたらよいのか 分 かっていなかったからです。
ただ 漠然 と「 感想 」を 書 くのは 難 しいのですね。
「おもしろかった」のたったの7 文字 で 終 わってしまいます。
では、どのように 感想 を 書 けばよいのでしょうか?
読書感想文 が 書 けなくて 悩 んだときは、「 自分 と 比 べる」を 合言葉 に 考 えてみましょう。
まずは、 原稿用紙 に 書 く 前 に、 書 けることの 整理 です。
書 き 始 めるための 整理
自分 と 似 ているキャラクターを 探 す
本 の 登場人物 の 中 で、 自分 と 似 ているキャラクターを 探 してみましょう。
どういうところが 似 ているか、 何 に 共感 をしたのか。
境遇 や、 性格 、 考 え 方 、 年齢 など。
自分 と 近 い 登場人物 は、それだけ 感情移入 をすることができるはずです。
自分 に 似 た 経験 があればそれも 書 き 出 して、そのとき 何 を 思 ったのか、 感情 を 言葉 で 表現 してみましょう。
自分 と 似 ていないキャラクターを 探 す
逆 に 自分 と 似 ていない 登場人物 も 探 してみましょう。
もしかしたら 主人公 がそうかもしれません。
自分 だったら 絶対 にこんな 行動 はしないな、と 思 うキャラクターはいませんか。
例 えば、 勇気 溢 れる 行動 だったり、とんでもない 悪事 を 働 いたり。
「 自分 だったら・・・」という、もしもの 想像 は、 読書感想文 を 書 くための 魔法 のキーワードです。
心 を 最 も 動 かされた 言葉 を 書 き 出 す
「この 言葉 はいいな!」と 思 った 言葉 はありませんか。
何 かのきっかけの 言葉 だったり、 登場人物 の 口癖 だったり。
新 しい 視点 を 与 えてくれた 言葉 があれば 書 き 出 してみましょう。
もしかしたら、 自分 の 人生 を 変 える 言葉 になり 得 るかもしれません。
その 本 を 読 む 前 と 読 んだ 後 の 自分 を 比 べて 考 えてみるのも、 立派 な 感想文 の 形 です。
話 しの 軸 を 決 める
さて、 書 き 始 めるための 整理 ができました。
ここで、 話 しの 軸 を 決 めます。
自分 と 似 ているキャラクターについて 書 くのか、 似 ていないキャラクターについて 書 くのか、 言葉 についてかくのか。どれか 一 つを 決 めましょう。
欲張 って2 個 も3 個 も 手 を 出 すと、 話 しの 軸 がぶれてしまう 恐 れがあります。
三 つの 中 から 書 きやすいものを 選 びましょう。
軸 を 決 める 際 に、 一 つ 覚 えておいて 欲 しいのが「 読書感想文 で 良 い 子 を 演 じる 必要 はない」ということです。
その 本 を 読 んで 嫌 な 気持 ちになったのであれば、その 感想 を 書 けばよいのです。
本 を 読 んでもやもやとした 気持 ちが 残 ったのであれば、それだけ 心 がかき 乱 されたということ。
本 を 読 んで 感動 したのであれば、それに 一番関 わっている 内容 を。
本 を 読 んで 考 えさせられたのであれば、それに 一番関 わっている 内容 を 選 びましょう。
私 は、 自分 の 心 が 動 いていないのに、 良 いことだけを 並 べて 書 こうとして 時間 を 無駄 にしてしまったことがたくさんあります。
書 くのはあくまで 感想 です。 自分 に 素直 に 軸 を 選 んでくださいね。
小見出 しを 考 える
次 は 小見出 し( 小 さい 話 しのまとまり)を4つ 考 えてみましょう。
読書感想文 に 小見出 しは 書 きませんが、 道筋 を 考 えることは 大事 です。
目的地 が 決 まっているのであれば、 地図 があった 方 が 便利 だからです。
それに、 小見出 しを4つ 考 えるといっても、 実際 に 考 えるのは2つだけです。
何故 なら、 最初 と 最後 は 決 まっているからです。
1.はじめに
2.
3.
4.まとめ
分かりやすく、 書 きやすい 文章 の 書 き 方 は、「 導入 」「 本文 」「まとめ」の 筋 がしっかりと 通 っていることです。
そのため、4つの 内 の2つである「1.はじめに」と「4.まとめ」は 皆 共通 です。
「 本文 」を「2.」と「3.」に 分 ける 理由 は 読書感想文 に 説得力 を 持 たせるためです。
「2.」では 本 を 読 んで 心 に 響 いたエピソードや、 登場人物 の 性格 、 言葉 について 書 きましょう。
「3.」では、 自分 の 経験談 や、 自分 だったらどうするか、 読 む 前 と 読 んだ 後 で 自分 にどのような 変化 があったかを 書 きましょう。
それぞれの 小見出 しが 決 まったら、いよいよ 読書感想文 を 書 き 始 めます。
読書感想文 を 書 く
1.はじめに【1割 】
書 き 出 しって 難 しいですよね。 最初 につまずくところです。
書 き 始 めの 王道 は 本 との 出会 いです。
「きれいな 装丁 に 惹 かれて 手 にとった 本 でした。」や「○○で 悩 んでいたときに、 先生 に 薦 められて 読 んだ 本 です。」などなど。
しかしながら、「なんとなく 手 にとった 本 がこれだった。」ということも 多 いはず。
そのまま 書 いても 良 いのですが、 私 たちには、さっき 考 えた 軸 と 小見出 しという 地図 があります。
これから 書 きたいことを 書 くために必要 なことを 書 かない 手 はありません。
ご 紹介 するテクニックは 二通 り!
ずばり、こころに 響 いた 言葉 ・セリフを 書 く。
ずばり、 感想 を 一文 で 書 く。
困 ったときはこのどちらかを 使 ってみましょう。
私 は 宮沢 賢治 が 好 きなので、『よだかの 星 』を 例 にとってみます。
・「どうか 私 をあなたのところへ 連 れてって 下 さい。 灼 けて 死 んでもかまいません。」
・ 私 はよだかが 嫌 いです。どうしようもなく 卑屈 で、 結局 は 自分 のことしか 考 えていないからです。
短 いような 気 がしても、 話 しが 書 き 始 められればよいのです。 気楽 に 考 えてくださいね。
2. 本 に 関 すること【2~3 割 】
次 は 本 を 読 んで 心 に 響 いたエピソードや、 登場人物 の 性格 、 言葉 について 書 きましょう。
ざっくり 言 うと、 本 に 関 することですね。
ここで 注意 をしなくてはならないのが、 本全体 のあらすじを 書 かないことです。
実 は、あらすじをまとめるのってとても 難 しいことなのです。
なるべく、 自分 が 書 きたいことから 外 れないように、エピソードを 紹介 し、どう 思 ったのかを 書 きましょう。
3. 自分 に 関 すること【4~5 割 】
3 番目 は 自分 の 経験談 や、 自分 だったらどうするか、 読 む 前 と 読 んだ 後 で 自分 にどのような 変化 があったかを 書 きましょう。
ここは、 一番分量 を 割 くところです。 気合 いをいれてたくさん 書 いてください。
4.まとめ【2 割 】
締 めの 部分 です。 今 まで 書 いたことのまとめなので、この 感想文 で 自分 が 言 いたかったことを 主張 しましょう。
軸 を 決 めて 書 き 始 めたので 割 りとすんなり 書 き 終 えることができるのでないでしょうか。
最後 の 最後 で 悩 んでしまう 場合 は、またとっておきのテクニック三つを・・・。
と、いうのも 最初 と 最後 に 関 しては、 先 ほども 言 った 通 り 皆 同 じなので、いくつかのパターンがあるのです。 味付 けは 皆 さんの 個性 なので、 好 きなように 料理 してくださいね。
人 に 薦 める
人 に 薦 める 形 で 終 わる 方法 です。 体験談 と 絡 めるとより 納 まりが 良 いです。
「 私 は 友 だちとけんかをしたときに 読 んで、キキに 勇気 をもらい 仲直 りができました。なかなか 素直 になれない 人 に 読 んでほしいです。」など。
大好 きな 本 であればあるほど、 説得力 がでます。
登場人物 の 口癖 で 締 める
本文 を 登場人物 をテーマにして 書 いたときに 使 えます。
今 まで 私 は、 失敗 することが 怖 くて、 物事 を 途中 で 投 げ 出 すことが 多 かったです。でも、この 本 を 読 んで、 最後 まで 自分 の 思 う 通 りにやりきってみようと 思 うことができました。やりきることができたら、 例 え 失敗 したとしても、バカボンのパパは「これでいいのだ」と 笑 ってくれることでしょう。
自分 のセリフにしてしまうのも 良 いですね。
一休 さんは 様々 なことを 私 に 教 えてくれました。 何 かに 行 き 詰 ったとき、 私 は 魔法 の 呪文 を 口 にします。
「 慌 てない 慌 てない。 一休 み 一休 み・・・。」
最初 に 書 いたことに 立 ち 戻 る
導入部分 で「こころに 響 いた 言葉 ・セリフを 書 く」「 感想 を 一文 で 書 く」を 選 らんだあなたに 使 えるテクニックです。
最初 に 書 いたことに 立 ち 戻 りつつ、 最終的 な 自分 の 感想 を 書 いてみましょう。
先 ほどの『よだかの 星 』に 倣 うならばこんな 感 じでしょうか。
・お 星 さまに「あなたのところへ 連 れてって 下 さい」と 頼 むばかりだったよだかは、 最後 は 自分 の 力 で 星 になりました。 一度 はあきらめかけたことを 最後 までやり 通 し、ひたむきに 飛 び 続 けた 努力 が 実 を 結 んだのだと 思 います。 私 も 譲 れないことができたときには、よだかのようにやりきった 笑 みが 浮 かべられるよう 一生懸命 がんばりたいです。
・ 私 はよだかが 嫌 いです。どうしようもなく 卑屈 で、 結局 は 自分 のことしか 考 えていなかったからです。でも、どこまでも 純粋 でまっすぐなよだかに、どこか 惹 かれ、 愛 おしいとも 思 うのです。
少 しきざな 表現 になってしまいましたが、導入 と 結論 がそろっているとまとまった 文章 になりやすいです。
おわりに
いかがだったでしょうか。書き 終 わった 文章 は、 一晩 寝 かせて 次 の 日 にまた 読 み 直 したり、ご 両親 や 友 だちに 読 んでもらうと「もっとこうすれば 良 くなるな」という 点 が 見 つかって、より 素敵 な 感想文 になると 思 います。
書 き 直 すのは 面倒 ですけれど・・・。
また、 他 にも 読書感想文 の 書 き 方 はたくさんありますし、どれが 正解 ということもありません。
自分 にあった 書 き 方 を 見 つけて、 一日 でも 早 く 夏休 みの 宿題 から 解放 されてくださいね!